大学受験 数学 駿台授業紹介

【駿台】高2エクストラ数学α 講座紹介&体験談 -実際の受講生の視点から-

目次

  1. まえがき
  2. 講座概要
  3. 授業内容
  4. テスト演習
  5. テキスト(例題、講義用問題)
  6. 授業の活用法
  7. クラスの雰囲気
  8. 感想
  9. あとがき

まえがき

こんにちは。本記事では駿台の高2エクストラ数学αという講座について、実際の受講生の体験談を語っていきたいと思います。

ブラウザ上で「駿台 エクストラ数学」と検索しても中々出て来ませんので、かなりレアな記事になるかもしれません。(笑)

自分は高2・高3と京都南校の駿台のエクストラ数学αに通い、その結果、特色入試は不合格だったものの、最終的には一般入試のほうで京都大学理学部に合格することができました。

この講座を担当されている駿台数学科の井辺卓也先生は数学力がとても高く、しかもとても面白い先生で主に数学の成績トップ層男子からの人気が高いです。

ではどうぞ最後までご覧になってください!

講座概要

この講座は、「高2のうちに数学を東大・京大などの難関国公立大学の入試合格レベルにもっていく」ことを目標としています。1年間で数学ⅠAⅡBから数学Ⅲまでの全範囲を網羅します。講義用テキストは数学Ⅲを高校で未履修の生徒でもついていけるように配慮されています。

通期の授業は1~3学期あり、夏休み明けから始まる2,3学期のみ数学ⅠAⅡBⅢの全範囲を扱いますが、1学期は数学ⅠAⅡBのみであり、文系の方も受講することができます。また、季節講習(春期・夏期・冬季)も数学ⅠAⅡBのみを扱います。こちらでは、通期には現れない数学の天才・奇才が数多く登場し、テスト演習で満点近い点数を取ってきます。こちらも文系の方でも受講することができます。

認定基準

駿台の高2エクストラ数学αは非常に受講生のレベルが高い講座であり、受講するには(諸説ありますが)以下の資格が必要であると言われています:

1年間に3回開催される高1駿台全国模試において、「東京大学理科Ⅰ類または京都大学理学部A判定相当の成績」または「数学単体の偏差値が70を超える」のいずれかの条件を少なくとも一回満たすことで受講が可能になるそうです。

また、(真相は分かりませんが)駿台校内で開催される「エクストラ数学α認定テスト」なるものが存在するらしく、そのテストで十分な成績を取ることでも受講が可能になるそうです。

以上からも分かるように受講生のレベルは確かに極めて高いです。

設置校舎

京都駅前校、上本町校、西宮北口校、丸の内校に設置されています。

参考:高2エクストラ数学α - 駿台大阪校wiki (wicurio.com)

自分が所属していた京都南校では洛星、洛南、堀川、西京、膳所、洛北、東大寺などの超トップの進学校の生徒が中心に集結していました。生徒数は30~40人くらいで、駿台の講座の中では中々に多い人数でした。

授業内容

次に京都南校の2019年度の授業内容を例として説明していきます。

1限目-テスト演習-(18:30-19:30)60分

最初の60分間テスト演習の時間です。解答用紙が3枚配布され、数学の問題を3問、制限時間内に解きます。以下の「テスト演習」で詳しく述べますが、問題の難易度は東大、京大、国公立大学医学部などの難関大学の入試問題の中でもいわゆる「やや難」から「捨て問」のレベルの問題を扱います。しかも解答時間が1問あたりで考えると20分しかないので、実際の大学入試よりもさらに短く時間内に全問解かせる気は全くありません。

2限目-テスト解説-(19:40-20:30)50分

2限目はまず先ほどのテスト問題の解説を行った後、時間に余裕があればテキストの講義用問題の解説のほうに入っていきます。イベッキシが炸裂します。ちなみに\(x\)の読み方は「エッキシ」、\(f'(x)\)は「エフ プライムエッキシ」、\(f''(x)\)は「エフ ダブルプライムエッキシ」、\(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\)は「limitation \(n\) tend to infinity」です。(※三人称単数形のsが抜けています。)

井辺先生は教室に入ってくる時、問題の解説を持ってこず、毎回その場で問題を解き始めるそうです。(笑)

テスト解説は思考過程や解法を重視するというよりは、井辺先生がスマートな解法を板書しているのを必死に自分のノートに書き写す感じになるでしょう。授業中に井辺先生の仰っていることを直ちに理解することは至難の業です。

さらに、井辺先生は例えば確率の自然数\(n\)に関する問題であれば\(n\)が具体的な自然数の値であるような問題は省略しますし、鮮やかな解法を示しておいて、計算は後で解答・解説プリントが配布されるので各自に任せる、ということも少なからずあります。

実際、井辺卓也 - 駿台大阪校wiki (wicurio.com)にも、以下のように書かれています。

特に前期での「場合の数と確率」の分野での飛ばし様が酷く、nを含まない問題(気合で数えたら解ける問題)はガンガン飛ばす。また、時間制限の厳しい講習などでは現役生がいてもお構いなしに一番手間を「回避」できる手法で問題を解くため、その解法が全く理解できないのに問題だけがただただ鮮やかに解かれるという師の無双プレイを傍観するのみのケースもしばしば。

井辺卓也 - 駿台大阪校wiki (wicurio.com)

3限目-講義用問題解説-(20:40-21:30)50分

3限目はテキストに載っている講義用問題の解説を行います。こちらも難易度はテスト問題くらいあり、次の授業までの間1週間予習をする猶予はありましたが、誰1人として1週間考えても解けない問題も珍しくはありませんでした。講義用問題の活用については「授業の活用法」で詳しく触れます。

井辺先生の圧巻の授業を2時間聞いた後、「今日も1日あんまり分からなかったなあー。」と思いながら友達と電車に乗って、その日の問題を解きなおしたり、授業ノートを見返して理解を深めたりしながら家に帰ります。

テスト演習

テスト演習は以下で述べるテキストと連動しており、テキストでその週に扱う問題と分野・単元が同じ問題が出題されます。

問題は東大・京大を初めとする旧帝大学や国公立大学医学部などの「やや難」から「」、時にはいわゆる「捨て問」に至るまでのとても難しい問題が出題されます。しかも先ほども述べたように解答時間が1問あたり20分と、とても短く、テスト演習の平均点は2割あるかないか、最高点も5割に満たないくらいに留まります。例えば以下のような問題が平気な顔をしてテストに出て来ます。

問題例①-大阪大学理系,赤本難易度D-

\(a,b,c\)を正の定数とし、\(x\)の関数\(f(x)=x^3 +ax^2 +bx+c\)を考える。以下、定数はすべて実数とする。

(1)定数\(p,q\)に対し、次をみたす定数\(r\)が存在することを示せ。

\begin{align}
x \geq 1 ならば |px+q| \leq rx
\end{align}

(2)恒等式\((\alpha - \beta)(\alpha^2 + \alpha \beta+ \beta^2)=\alpha^3 - \beta^3\)を用いて、次をみたす定数\(k,l\)が存在することを示せ。

\begin{align}
x \geq 1 ならば |\sqrt[3]{f(x)} -x-k| \leq \frac{l}{x}
\end{align}

(3)すべての自然数\(n\)に対して\(\sqrt[3]{f(n)}\)が自然数であるとする。このとき関数\(f(x)\)は、自然数の定数\(m\)を用いて\(f(x)=(x+m)^3\)と表されることを示せ。

(大阪大学2011年度理系大問4-赤本では最高難易度D評価-)

問題例②-東工大後期,1問で3問分の重み-

\(n\)を\(2\)以上の自然数とする。

(1)\(n-1\)次多項式\(P_n(x)\)と\(n\)次多項式\(Q_n(x)\)ですべての実数\(\theta\)に対して

\(\sin(2n \theta) =n \sin(2 \theta)P_n( \sin^2 \theta)\)

\(\cos(2n \theta) =Q_n( \sin^2 \theta)\)

を満たすものが存在することを帰納法を用いて示せ。

(2)\(k=1,2, \cdots ,n-1\)に対して\(\alpha _k =(\sin \frac{k \pi}{2n})^{-2}\)とおくと、
\(P_n(x)=(1- \alpha _1 x)(1- \alpha _2 x) \cdots(1- \alpha _{n-1} x)\)となることを示せ。

(3)\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} \alpha _k =\frac{2n^2 -2}{3}\)を示せ。

(東京工業大学1990年後期大問2)

実際、この講座の担当のクラスリーダーの方(京都府立医科大学在籍中)も高2エクストラ数学αの過去の受講者だったのですが、「高3になっても分からないままの問題はありました」、と仰っていました。

高3生でも解ける人はあまりいないのに、それを高2生に解かせるとは…。恐ろしい授業ですね。

テキスト(例題、講義用問題)

内容は大まかに以下のようになっています。

1学期:式と証明、値域と存在条件、三角関数・指数対数、数列、命題と論証、整数問題、多項式

2,3学期:確率、図形問題の研究、極限、微分法、積分法、複素数平面、式と曲線

※駿台でクラスリーダーをしていて分かったことなのですが、2020年度現在では1学期に確率を扱っているようです。

特に値域と存在条件命題と論証多項式で学校や市販の参考書では教えてくれないような内容を学習することができます。

テキスト自体は井辺先生が作成されている高2エクストラ数学αのテキストは例題と講義用問題と1学期のみ数学Ⅲ予習編という3つの部分から成っています。それぞれ順番に説明していきます。

例題

例題では難関国公立大学の入試問題における「標準」から「やや難」の問題が多数紹介されており、中には「値域と存在条件」「鳩の巣論法」「解けない漸化式の極限」「方程式の解の極限」など高2の時点であればあまり触れていないだろう、入試問題で武器となる道具、考え方、解法を与えてくれます。例題に入る前にその単元についての基本事項や背景についても語られており、すべての問題を解けるようになるまで周回する価値はあります。

講義用問題

1回の授業あたり4問ついている予習問題のことであり、難易度はテスト演習と同じくらいでとても難しいです。いかんせん高2ですので友達と相談して1週間考えても分からない問題も珍しくはありません。(笑)

解けなくても良いので何かしら自分で考えてみること、解説を聞いたうえでしっかりと復習することがとても大切だと思います。

今はあるか知りませんが、1問だけ問題文が全て英語で書かれた問題があります。(たしか、天秤におもりを載せることであらゆる重さを計り取ることができる、みたいな問題だった記憶があります。)

数学Ⅲ予習編

1学期のテキストには数Ⅲ未履修の高2生のために数Ⅲを予習できる材料をつけてくださっています。レベル的にはチャート式よりちょっと難しいくらいなので、この講座に在籍している生徒からすれば数Ⅲ導入にはちょうど良い機会だと思います。

実際、数学Ⅲの内容は2学期の第5週あたり(=10,11月くらい)から始まるので夏休みにゆっくり予習できる期間はあります。

授業の活用法

例題

入試問題で基幹となる考え方を扱っているので、全て解けるようになるまで周回するようにしていました。授業がある1週間前にその分野の例題をいったん一通り解いてみて分からない問題は後回しにしていました。

テスト演習、講義用問題

講義用問題は初めは数学的な思考力を養うために予習していました。しかし、2,3学期の数Ⅲに関しては習いたてということもあり、考えても全く分からないので予習をすることを諦めて、とりあえずは解説を聞くだけにしていました。とにかく家に帰って授業ノートと井辺先生の解答・解説を一度見返してなんとなく理解することを心掛けていました。

実力も徐々についてきたということで、高2エクストラ数学αの授業が一通り終わった高3になる直前の春休みから復習を本格的に始めました。2周目(=復習1回目)を終えた段階でほとんどの問題を解けるようにはなっていましたが、それでも10~20問は全く分からない問題があったので放置しておきました

本格的に受験期に入ると、高3エクストラ数学αのほうがより実際の入試に向けた対策をしていたこともあり、高2エクストラ数学αの復習はほどほどに留めておきました。(一部の問題は放置したままです。)

しかし、数学Ⅲの演習は本当に役に立ったと思っています。難問を数多くこなすことで入試問題でどのような解法・テクニックを用いるのかということが分かるようになりました。

クラスの雰囲気

自分が所属していた京都南校では洛星、洛南、堀川、西京、膳所、洛北、東大寺などの超トップの進学校の生徒が中心に集結していました。受講人数は30~40人くらいいた印象で、生徒はほぼ全員が高2の時点である程度の模試成績を取っており、志望校も東大・京大あるいは国公立大学医学部でした。

テスト演習直後の休み時間には解いた問題について議論し合い、授業終了後の教室内では返却される先週のテスト演習の点数を比べ合ったり、お互いの答案を見てどこで減点されているのかなどについて話し合ったりしていました。また、その後の帰り道では洛北高校の友達のみならず、洛星、東大寺高校の友達と学校のことなどについて喋りながら帰っていました。

集まっている生徒がそもそもレベルが高く、勉強するときは勉強するといった良い雰囲気がクラス内にあったと思います。さらに周囲の人をどんどん巻き込んでいき、友達も増える、あたかもひとつの高校のクラスのような雰囲気もありました。

とにかく周りの人が賢いので、積極的に絡んで他の進学校との接点を増やしていきましょう。大学受験においての仲間にもなりますし、大学合格してからの友達ができたりもします。

高2から真剣に勉強するような生徒ばかりなので、早期から受験勉強を体感するのにも良いと思います。

感想

実際、高2の段階で数学の勉強のリズムを作ることができ、入試を突破できる実力はつけることができました。(高2の秋に半分ノリで受けた京大実戦の数学で3完し、経済学部理系で冊子掲載相当の実力はついていました。)さらに、これから受験期をともに過ごしていく他校の友達ができたことも大きかったです。高2エクストラ数学α高3エクストラ数学αと比べて難易度も高いですし、駿台内部でも「数学の趣味の世界」と揶揄されることもしばしばあります。ですが、テキストの例題・講義用問題、テスト演習の問題は使い方さえ間違えなければ本当に有益なものだと思います。

数学がある程度好きで、認定を持っている方は体験授業だけでも良いので一度来てみることをオススメします!

あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございました!

この記事が受験生や教育関係者の参考になれば幸いです。以下の記事「【駿台】高3エクストラ数学α ①講座紹介 -実際の受講生の視点から- | Sacramy」「【駿台】高3エクストラ数学α ②体験談 -実際の受講生の視点から- | Sacramy」のほうでは高3エクストラ数学αについても書きました。合わせてご覧になってください!

最終更新:2021 2/11(Thu.)

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Yuya Sakurada

洛北(中高一貫)→京都大学理学部2回生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数物)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

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