
目次
まえがき
こんにちは。本記事ではいかに減点を防ぎながら大学入試の英作文を攻略していくかということを説明していきたいと思います。本記事を執筆するにあたって、竹岡広信先生の高3エクストラ英語αと竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本で学んだ内容をベースとしてそこに自分の受験期の体験を混ぜ込み、より分かり易いものにしました。京都大学の英作文の過去問添削で25点満点中、20~25点取れていたのでそこそこの信頼性と汎用性はあると思います。
以下では、英作文全般に共通する一般論的なことを5つ紹介し、それぞれについて具体例を交えながらわかりやすく説明するようにしました。
ぜひ最後までご覧になってください!
※記事にミスがあればTwitterのDMに連絡をください。(アカウントは@SacramyOfficial または @skrdy0121 です。)
※以下、特に重要なポイントは赤字にしています。
簡単な日本語に置き換える
まずはじめに、大前提となってくることは「知っている表現だけで英作文を書く」ということです。知っている表現というのは、自分が「この語同士の組み合わせは英語として正しい」と経験を通して自信をもっていえる表現のことです。
さて、和文英訳において与えられた日本語を直訳するとしましょう。例えば、京大英語2011大問3(1)の和文英訳問題に「トラブルはつきものだ。」という日本語があります。まさか、「トラブル」を主語、「つきもの」を補語として、
・Trouble is an accompaniment.
なんて訳していませんよね?日本語と英語を1対1で結び付けて訳すのは最悪の英訳です。「つきもの」という日本語に1対1で対応する英語があるわけではないのです。
そうではなくて、与えられた日本語の意味をしっかりと吟味しましょう。「トラブルはつきものだ」ということは「トラブルをしばしば伴う」ということですね。この日本語ならば、一般論なので主語をyouとして、
・You often have (some) problems.
のように書けますね。
※troubleは可算か不可算かの判断がつきにくいため、英作文ではなるべく避け、代わりに可算名詞のproblemを使いましょう。
このように与えられた日本語を1対1で英語に対応して訳すのではなく、一度自分が訳しやすいと思う簡単な日本語に置き換えてから英語に訳しましょう。
また、言い換える際にはもとの意味を保っているか(=新しい日本語が元の文意を再現できているか)を必ず意識しましょう。この感覚に関しては、英作文を数多くこなすことで経験的に身についていくものだと考えています。
主語を切り替える
英作文では主語(視点)を切り替えることで、訳しやすくなることがあります。特に「モノ主語と人主語の切り替え」が大切だと思っています。具体例をあげて説明しておきましょう。
例えば、京大英語2014大問3(1)の和文英訳問題に「近年、電子書籍の普及が急速に進んできた。」という日本語があります。
「あるモノが普及する」とは「あるモノが広く行き渡る」の意であり、これをわれわれ人間の立場から見ると、「ますます多くの人々があるモノを使用している」とか「われわれはあるモノを使う機会がますます増えてきている」ということになります。
はじめに、これをモノを主語として書いてみましょう。本問では「電子書籍」を主語にすることになりそうです。
・Recently, e-books [electronic books] have been becoming more and more popular [widespread / common] rapidly.
のように書けます。あるいは、英作文でよくあるように「数」に注目して、
・Recently, the number of e-books used [sold] has increased rapidly.
のようにも書けます。
次に、これを人を主語として書いてみましょう。一般の人々が主語となるので、「人々」とか「私たち」を主語にして、
・These days [today], more and more people are using e-books.
・These days, we [People] have more and more chances [opportunities] to use [read] e-books.
のように書けます。
さて、ここまで2つのことを踏まえて次の例を見てみましょう。東京大学1993大問2B(2)に「すべての神秘の帷(とばり)は剥ぎ取られてしまった」という日本語があります。これはどのように訳しましょうか。まさか、「帷」や「剥ぎ取る」に1対1で対応する英語を辞書で調べて持ってきて書くなんてことはしませんよね。
この日本語であれば主語を切り替えることで、「すべての神秘の帷(とばり)は剥ぎ取られてしまった」→「人々は~に関してすべてのことを知った」と言い換えることができ、
People had learned everything about…
などと書けます。もちろん、直訳して、
all the veils of mystery had been lifted…
と書いてもよいのですが、「帷」がveilあるいはcurtainなどと表せ、さらに「剥ぎ取る」に対応する英語が本問ではliftやremoveなどであると自信をもって言える受験生は多くはないでしょう。
このように、モノ主語と人主語では使用する表現もだいぶ異なってきており、両方で太刀打ちできることもあるのですが、英作文を書いていると、修飾語句の問題や単に自分の表現力不足などによってどちらかでしか書けないという状況も多々あります。ですので、「モノ主語と人主語の切り替え」をできるようにしておいて、片方が通用せずとももう片方で対処して幅を広げておきましょう。
この「モノ主語と人主語の切り替え」においてもやはり、先ほど述べた「簡単な日本語に置き換える」ということが大切になってきますね。
【本気で英語やるならプログリット】
普段リーディングばかりでそろそろスピーキングを始めてみたい方におすすめです!初心者の方からビジネスで英語を使用される方まで様々な方におすすめです!ぜひ一度無料体験してみてください!

抽象名詞の使用を避ける
英作文でやはり日本語における抽象的な概念を英訳しなければならない状況は必然的に生じてくるでしょう。例えば、「感情」「知識」「機能」「起源」などです。
これらを英作文で使用しても構いませんが、今述べた日本語に対応する抽象名詞:feeling,knowledge,function,originなどが可算名詞か不可算名詞かパッと言えますか?(文脈に応じて変わる場合もあります。)
また、可算である場合には状況に応じて単数形か複数形かにするかの区別までしなければなりません。実際、もっと難しい抽象的な概念も登場します。受験生にとってこの方法では、ちょっと対応するのが厳しそうです。
そこで解決策として以下のような方法を提示しておきます。
whatとhowを用いる
関係代名詞のwhat (= the thing(s) which SV)と関係副詞のhow (=the way (in which) SV),感嘆のhowを用います。前者のwhatは「~すること(もの)」の意味であり、後者のhowは「~するやり方 / どのように~するのか」「どれほど~か」の意味でしたね。どちらとも、名詞節を導いています。基本的な例文で用例を確認しておきましょう。
・What worries me is the result of the exam.
(訳)私を不安にさせるものは、試験の成績のことだ。
whatが導く関係詞節 What worries meがこの文の主語になっています。
・That is how he succeeded in business.
(訳)そのようにして彼はビジネスで成功したのだ。(←それが彼がビジネスで成功した方法だ。)
・I cannot express how wonderful it is.
(訳)私はそれがどれほど素晴らしいかということを言い表せない。
これらの名詞節を利用することで、先ほどの抽象名詞を言い換えることができます。
・「感情」→「どのように感じるか」:how (人) feel
・「知識」→「何を知っているか」:what (人) know
・「機能」→「どのように機能するか」:how (モノ) work
・「起源」→「どこから来たのか」:where it come from
※さいごの「起源」のように関係副詞のwhereを用いることもあります。
他にも何個か例を挙げておきましょう。
・「世間体」→「他の人たちが自分のことをどう思うか」:what other people think about you
・「重要性」:how important it is to V
このように抽象名詞をいったんSVを含む日本語にかみ砕いてやると分かりやすいでしょう。これに関しては訓練を積むことによって慣れるしかないと思っています。
この「抽象名詞の使用を避ける」においてもやはり、先ほど述べた「簡単な日本語に置き換える」ということが大切になってきますね。
動詞と副詞の組み合わせはむやみに使わない
例えば「真剣に答える」という日本語を英訳するとしましょう。このとき、そのまま「真剣に」=「seriously」、「答える」=「answer」と分解して「seriously answer」と訳すのはあまり好ましくありません。このように、動詞と副詞をそのまま直訳して貼り付けて英訳しているといつかは動詞と副詞の組み合わせが悪く、表現として不適切なものがでてきます。
このことを避けるためには、
・be (副詞を形容詞に戻したもの) and (動詞) (基本このように2つに分ける)
・(動詞) in a (副詞を形容詞に戻したもの) way (こちらはまれ)
などと訳してやればよいです。
例えば京大英語2011大問3(1)にの和文英訳問題に「冷静に状況を判断し」という日本語があります。この場合、
・be [stay] calm and judge what is happening [going on] (around you).
※先ほども触れましたが抽象的な名詞である「状況」をそのまま「situation」などと訳さないようにしましょう。
文語体と口語体の区別
ここでは文語体と口語体の区別について主に2点触れておきます。
①短縮形を使わない
例えば、don'tではなくdo not を用いるようにしましょう。
ただし、can'tはcan notではなくcanとnotをくっつけてcannotと書きます。
これは竹岡先生が高3エクストラ英語の第1講で念を押して仰っていたことであり、相当重要なのでしょう。
こちらの記事でもフォーマルな場、特に学術論文では短縮形は顰蹙を買いかねないので使わないと述べられています。
②文頭のAnd, But, Soを避ける
それぞれ、Moreover, SV. However, SV. Therefore, SV.としましょう。
なお、MoreoverについてはIn additionとは置換可能ですが、Besidesは口語体のため置換不可能です。
【本気で英語やるならプログリット】
普段リーディングばかりでそろそろスピーキングを始めてみたい方におすすめです!初心者の方からビジネスで英語を使用される方まで様々な方におすすめです!ぜひ一度無料体験してみてください!

あとがき
最後まで読んでいただきありがとうございました!
竹岡先生の以下の著作では以上のことを実践しながら英作文の練習をすることができます!この本の解答・解説も当記事のような英作文の書き方に基づいており、とてもオススメです。ぜひ一度手に取ってみてください!
予想以上に英作文の表現を紹介したツイートに対して反応がありましたので、次は「英作文で頻出の表現」をまとめた記事を数回に分けて投稿していこうかなと思っています。
以下の記事もぜひ合わせてご覧になってください!京大英語2020を題材としながら英語長文に対する取り組み方を丁寧に解説しました。
筆者の紹介
英語が嫌いという理由で朝のホームルームに英会話がある西京中学ではなく、洛北高校附属中学校を目指し、洛北高校附属中学校(中高一貫)に補欠合格。模試は高1から全てA判定を出し、高2では駿台全国模試の英語・数学の偏差値80越え。高3では夏の京大模試で経済学部理系で4回連続1位を取り、秋は全て理学部で冊子掲載。英語に関しては駿台で竹岡先生の高3エクストラ英語αで学び、京大模試で全国15位以内を7回取る安定した成績を収めた。
(以下、全国15位以内の模試のみ成績を添付)
京大模試
第1回京大入試プレ 117/150,11位 (74.9)
第1回京大オープン 120/150,6位 (76.5)
第1回京大実戦 113/150,13位 (77.0)
第2回京大オープン 120/150,10位 (76.2)
第2回京大入試プレ 114/150,6位 (70.8)
第4回Z会京大テストゼミ 124/150,1位 (67.5)
第3回京大本番レベル模試 136/150,1位 (70.4)
その他模試
東工大入試実戦模試 113/150,5位 (82.5)
河合塾京大本番プレテスト 121/150 など
※素点と全国順位を記載,()内は偏差値
最終更新:2020 2/11(Thu.)