大学受験 英語

一般の人も表すことがある! oneの解釈3パターン

こんにちは。本記事ではoneというおなじみの単語について解説していきます。oneには数詞として「1つ、1つの」、ということを表すだけではなく、可算名詞の代用一般の人を表す総称の役割もあります。以下で例文を交えながら解説していきます。

最後に確認用の入試問題の例文もついているので合わせてご利用ください。では本編に入っていきましょう!

目次

  1. 数詞:「1つ、1つの」
  2. 可算名詞の代用としてのone
  3. 総称:一般の人を表す
  4. 実際の入試問題で確認しよう!

数詞:「1つ、1つの」

(例)Star Wars is one of the most successful movies in history.
「『スターウォーズ』は歴史上最も成功した映画の1つである。」

→oneは数詞として働き、「1つ」の意味になっています。

【注意:oneとa/anとの比較】

oneは「ただ1つであって2つ以上ではない」ということを表し、a/anは「特にどれとは限定しないで、どれでもいいから1つ」ということを表します。以下の例文で確認しておきます。

(例)次の2文を比較せよ。
(ⅰ)One nail is no good. I need two or three.
「釘は1本では役に立たない。2、3本は必要だ。」
(ⅱ)A nail puller is no good. It is the wrong sort of thing.
「釘抜きは役に立たない。別のものが必要だ。」

可算名詞の代用としてのone

oneは単数可算名詞、つまりa+[可算名詞]、onesは複数形の可算名詞の代わりに、反復を避ける場合などに用いられます。不可算名詞を受けることはできない点と、onesとなる場合は通例、修飾語(あるいは修飾句、節)を伴う点には留意しておきましょう。

(例)Could you lend me an umbrella if you have one?
「もし傘をお持ちなら、貸していただけませんか?」

one=an umbrellaです。

(例)oneは不可算名詞を受けることはできない
A: What kind of information are you looking for?
B: I’m looking for medical information.[×medical one(s)]
「A:どんな情報をお探しですか? B:医療の情報です。」

→informationは不可算名詞であるため、medical one(s)のような受け方はできないです。

(例)[修飾語]+ones
Are these books on gardening yours? I would like to borrow a few good ones.
「これらのガーデニングの本はあなたのですか?よいものを数冊お借りしたいのですが。」

→ones=booksであり、修飾語を伴っています。

総称:一般の人を表す

同じく総称を表す単語としてよく見かけるものはyouです。oneにもyouと同じく一般の人々を表す総称の用法がありますが、こちらはやや堅苦しい言い方であり、古風に感じられることもあるため、あまり好まれないそうです。

(例)One never knows what the future will be.
「人は将来のことは分からないものだ。」

→You never know…と同義です。

実際の入試問題で確認しよう!

※1.と2.はone of=「~の1つ」とは限らない! one ofの解釈でも扱った英文になります。

1. The camera provides one of the most significant paradoxes of modern industrial societies — an ability to feel free, when in fact we are, most of us, all doing the same thing.

【文脈】
私たちはカメラを使ってあたかも儀式的に写真を撮っているということを述べた英文の冒頭からです。「インスタ映え」を想像してみると分かりやすいのではないでしょうか。

【訳例】
カメラによって、現代の産業社会の最も重要な矛盾の1つが生まれている。その矛盾とは、実際には私たち、いや私たちのほとんどが皆同じことをしているのに、自分が自由だと感じることができることだ。

→The camera providesは名詞構文なので、「~によって…」と因果関係で訳出しています。
→The cameraのtheはいわゆる”発明品のthe”であり、総称のtheの使い方の一例です。通例、このtheは主語で用いることが多く、硬い学問的な表現となることに注意しましょう。
→oneは数詞であり、one ofは「~の1つ」の意味です。
→ハイフンはone of the most significant paradoxes of modern industrial societiesの内容を具体的に説明しています。
→whenは接続詞として「~する時に」とするのが直訳ですが、an ability to feel freeとdoing the same thingが対比されていることも加味して「~なのに」と対比っぽく訳出しています。

2. The difficulty is not just one of the time to assimilate information; it is also the time to mature judgement and come to conclusions which only ring true after complex studies and discussions with others and with oneself.(京大2000)

【文脈】
歴史的事実を正しく扱い、判断する能力は長い期間をかけた、自分とは違う視野をもった他人との討論の末、やっと手に入るものだ、という文脈です。冒頭のThe difficultyは前文の「12歳にして(若く)ソクラテスに関する世界最高の権威となること」の難しさについて言及しています。

【訳例】
その難しさは、情報を吸収するのにかかる時間という難しさだけではなく、判断を成熟させ、複雑な研究をしたり、他人および自己と議論をしたりしてはじめて正しいと分かる結論に至るのにかかる時間という難しさでもある。

→oneは可算名詞の代用として働き、a difficultyを受けています。
→コロンを挟んでnot just A (but) also Bの構造を取っています。
→onlyはafterにかかっており、~only after…と同様に「…してはじめて~する」と訳出すると自然な日本語になります。

【単語】
・assimilate:「吸収する」
・ring true:「本当らしく聞こえる」

3. Thus it is by no means so easy as one might suppose to give a straightforward answer to the question : how large is a child's vocabulary, on average, at different ages?(京大1989)

【文脈】
言葉の意味というのは、知っているか知っていないかのall or nothingではなく、言葉の意味は徐々にある人の語彙の中で成長していくものだ、ということを述べた英文からです。直前で言葉の意味は変化し、成長するという内容が述べられた後に続く部分です。

【訳例】
したがって、子供の語彙は平均して各年齢においてどのくらいなのかという質問に対して単純明快な答えを出すことは、決して人が思うほどには簡単ではないのである。

→it is not easy to…は形式主語構文であり、このnotの部分がby no meansに代わっています。
→さらにここに、so easy as one might suppose「人が思うくらい簡単だ」という形が組み合わさっています。oneは一般の人を表しています
※suppose to Vが1つの塊ではなく、to不定詞以下はit…to V構文の一部であることに注意しましょう。
→コロンは直前のthe questionを具体化する役割です。あるいは強調の用法と読んでもよいでしょう。

【単語】
・by no means:「決して~ない」
・straightforward:「単純明快な」

4. Even a casual examination of each of the so-called examples of serendipity will, I believe, allow one to reach a quite different conclusion.(Lewis Wolpert:THE UNNATUAL NATURE OF SCIENCE 京大OP2006)

【文脈】
科学の発見は偶然や幸運によってもたらされたと思われがちであるという誤った考えについて述べられた英文からです。筆者は科学の発見は実は周到な準備ができている科学者自身が引き寄せたものだ、と主張しています。serendipityは「運の良さ」とか「偶然発見すること」の意味です。この部分の直前では、科学の発見にはserendipityが重要な役割を果たす、という考えについて議論されています。また、different conclusionの後ろには、from a widely held view—which I believe to be mistaken—that serendipity plays an important role in discoveryが省略されています。

【訳例】
いわゆる運の良さの例の各々をざっと検証してみるだけで、人はまったく異なった結論に達することができると私は考える。

→a casual examination of…はcasually examine…の名詞構文であり、ofは目的格を表します。
→I believeは挿入句であり、この文はI believe (that) even a casual examination of each of the so-called examples of serendipity will allow one to reach a quite different conclusion.と同義です。
→oneは一般の人を表します。
→allow [人] to Vは「人にVさせる、人がVすることを可能にする」の意味です。
→この部分は無生物主語でもあり、因果関係として副詞的に訳出しています。

【単語】
・casual:「何気ない、気軽な」
・examination:「調査、検証」
・serendipity:「運の良さ、偶然発見すること」
→ホレス・ウォルポールによる造語です。(1754年)The Three Princes of Serendipという物語の中で、王子はいつも意外な出来事と出会い、自身の聡明さによってもともと探していなかった何かを発見していきました。そのことに由来しています。英英辞典の定義では、the natural ability to find interesting or valuable things which one is not looking forとあります。(LDOCE) 

あとがき

最後までご覧いただきありがとうございました。当サイトでは英語・数学を中心に大学受験+αの情報を発信しています。以下のおすすめ記事もぜひ合わせてご覧になってください。それでは!

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Y. S.

洛北(中高一貫)→京都大学理学部3生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

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