大学受験 英語

【全国模試1位に学ぶ英語】令和3年度 京大英語2021 大問2解説

目次

  1. まえがき
  2. 問題
  3. 1868年の英文が登場? -出典と作者について-
  4. パラグラフごとの要旨 -マクロな視点から読む-
  5. 構文解析、全文和訳 -ミクロな視点から読む-
  6. 解答を書く
  7. 予備校の解答速報が全滅!? -Why not?の解釈-
  8. あとがき
  9. 筆者の紹介

まえがき

初めまして、こんにちは。この記事では2021年度の京大英語大問1に引き続き、今年度の京大入試の英語の全英文解釈および解答解説をしつつ、英語に対してどのように取り組んでいけばよいのかを説明していきたいと思います。以下で自分なりの英語の文章に対するアプローチの方法などを咀嚼して伝えていきたいと思います。先に書いておきますが、自分は英語の文献を読む際、マクロとミクロという2つの視点を非常に重要視しています。

自分の英文の読み方は高3エクストラ英語でもお世話になった駿台英語科の竹岡広信先生と、精読を教わった駿台英語科の桜井博之先生の影響がかなり強いです。そのため、以下で行う解説は、本文通読(マクロ)においては竹岡先生の影響を強く受け、精読(構文解析、ミクロ)においては桜井先生の影響をかなり強く受けています。特に、桜井先生のほうでは英文読解の着眼点という本に感銘を受けました。

とはいえ、一般的に見て十分通用する解説に仕上げていきたいと思います。その点、把握よろしくお願いします。要旨解説のあと、全文の構文解析を行い、最後に解答を書きたいと思います。(京大実戦の解説と流れはだいたい同じです。)

なお、本記事の一番後ろに、英文読解に役立つ著作を紹介し、その活用方法を書いておきます。ぜひ一度手にとってみてください。

今年の入試を解いていない方でも十分理解できるような記事に仕上げました。

極力ミスは減らすようにしていますが、いかんせん個人が書いているものですので、ミスがあるかもしれません。このブログ内でミスを発見した場合、自分のツイッターアカウントにDMを下されば幸いです。(アカウントは@skrdy0121です。)

※以下、特に注意してほしいポイントは赤字にしてあります。

本年度の問題の総評はこちらから→【全国模試1位に学ぶ英語】令和3年度 京大英語2021 分析 | Sacramy

大問1の解説はこちらから→【全国模試1位に学ぶ英語】令和3年度 京大英語2021 大問1解説 | Sacramy

問題

次の文章を読み, 下の設問(1)~(3)に答えなさい。(50点)

ー問題文は省略させて頂きます。各自入手してください。ー

(1) 文章全体から判断して,『種の起源』が大きな影響力を持った要因としてLewesが最重要視しているものを,第2パラグラフ(The Origin of SpeciesからWhat is that question? まで)から選び,日本語で書きなさい。 

(2) 下線部(a)を和訳しなさい。 

(3) 下線部(b)を和訳しなさい。

1868年の英文が登場? -出典と作者について-

大問2ではなんと引用部分は1868年の英文が原文となっており、しかもその原文はオンライン上で誰でも閲覧できます。まずこの点がアツいです。原文の出典は以下に貼っておくので、暇がある方はこの記事を読み終わってからでも、ゆっくり読んでください^^

原文の出典:Lewes, G. H. 1868. Mr. Darwin's hypotheses. Fortnightly Review n.s. 3 (April, June); 353-73, 611-28, 4 (July), (November): 61-80, 492-509. (darwin-online.org.uk)

さらには、引用部分の著者のジョージ・ヘンリー・ルイスという方もアツいです。

George Henry Lewes, (born April 18, 1817, London, Eng.—died Nov. 28, 1878, London), English biographer, literary critic, dramatist, novelist, philosopher, actor, scientist, and editor, remembered chiefly for his decades-long liaison with the novelist Mary Ann Evans (better known by her pseudonym, George Eliot).

A versatile writer and thinker in many fields, Lewes contributed significantly to the development of empirical metaphysics; his treatment of mental phenomena as related to social and historical conditions was a major advance in psychological thought.

George Henry Lewes | English philosopher, actor, and scientist | Britannica

このページに彼の紹介がありますが、非常に幅広い分野で活躍した方であることが読み取れます。ここでも述べられているように、彼は特別科学的な訓練を受けていませんでしたが、1853年からルイスの著作には科学的、特に生物学的な研究に専念していたことが示されています。彼の著作では常に科学的な傾向が明確に示されていました。本問の引用部分でもそうですね。

empirical metaphysicsのmetapyhisicsはご存じの方も多いように、「形而上学」の意味です。本問の引用部分中に一元論や二元論のお話が出て来ましたが、これらは形而上学上の命題みたいですね。さらには、本文中にもあるように、彼はダーウィンの考え方に対する評価も、ダーウィン本人が絶賛するほど素晴らしいものでした。(語り出すと語り切れないのでここら辺で止めておきましょう。)

一元論と二元論について軽く説明しておきましょう。このことを知っていると本文を読んでいて楽しくなります。

一元論:存在する世界の究極のもとが1つのものから出ているとする世界観。古代ギリシャの哲学者が万物のアルケー(=根源)が何かを考えていましたが、そのほとんどが一元論的です。後で言及するアナクシマンドロスもその例です。本問との関連で言えば、ダーウィンの進化論も全ての生物は共通の祖先から進化した、と考えるので一元論と相性が明らかに良いですね。この点が後々重要になってきます。

二元論:世界の本源をなすものが2つあるとする世界観。古代ギリシャではエンペドクレスがどちらかと言うとこちら側に相当します。(彼はむしろ四元論とも言うべきですが笑)本問でも登場する心身二元論や精神と物質を分けて考えたデカルトの物心二元論がこれに当てはまります。

また、一元論と二元論は歴史的に見ても対立が激しい立場であり、古来から世界各地で様々な哲学者が意見を示してきました。

さて、本問は内容説明問題+英文和訳問題という近年の京大らしい構成になっています。この問題は読みごたえがあって、和訳箇所の文法要素もかなり難解であり、非常に難しい文章だと思います。端的に説明するのであれば、90年代や80年代の由緒正しき京大英語に戻ったとも言えます。2000年代途中から明らかに作問者が変わってるだろ!と思わんばかりに文章の質も変っています。

パラグラフごとの要旨 -マクロな視点から読む-

本文を最初に読むときはまず大雑把でいいので、文章を通じて筆者が何を言いたいかを理解しましょう。その際、本文の横に自分が読み取ったことを適宜メモすることが望ましいです。(パラグラフごとにメモするのは時代遅れだと思います。自分で文章を読み、必要に応じて適宜メモを取りましょう。)以下、口語表現を交えて簡潔にパラグラフごとの内容をまとめます。

1パラ:ダーウィンの考え方に対するジョージ・ヘンリー・ルイス反応は素晴らしい。→以下で説明していこう。

2パラ(引用はじめ):種の起源は非常に強い影響力をもった。→2つの相反する考え方が根底にあるのだが、それらは一体何なのだろうか?

3パラ:全ての生物は共通の祖先から進化したとするダーウィン的な考え方は歴史を遡ると直感的に捉えたものが多い。また、一元論となじむため、存続してきた。その過程でダーウィンの考え方の是非は一元論か二元論の立場から論じられることが多かった。

4パラ:一般の人々が専門的な知識がなくとも、一元論と二元論の立場から簡単に、自身満々に自然淘汰が正しいか否かを判断していた。→生物学者はブチ切れた。(→下線部(b))

5パラ(引用おわり):種の起源は一元論から帰結されるものであり、一元論と二元論の戦いの場となるだろう。→ルイスは一元論側の勝利(≒ダーウィンの考え方が正しいこと)を確信している。

6パラ:現代の科学の立場からすると彼の考え方は時代遅れかもしれないが、それでもやはり彼は素晴らしい作家である。

構文解析、全文和訳 -ミクロな視点から読む-

試験本番では、本文を大雑把に理解した後は内容説明問題や和訳に必要な部分を特定し、その部分の意味を解析する作業が必要となります。文と文の繋がりや対比・言い換え表現を抑えたり、文脈に即したうえで解釈しましょう。(マクロ→ミクロ

ここでは説明の都合上、全文の和訳と解説をします。設問該当箇所を探す段階については、各設問解説で言及します。(問題を解いて答えを確認したい方は先に解答のほうを読むことを推奨します。)

第1パラグラフ

・One of the early significant responses to Charles Darwin's thinking came from a highly-talented journalist, George Henry Lewes.
(訳)チャールズ・ダーウィンの考えに対する早期の、重要な反応のひとつはジョージ・ヘンリー・ルイスという非常に才能のある寄稿者によるものがある。
・Having read a piece by Lewes, Darwin wrote to a friend, saying that the author of that article is "someone who writes capitally, and who knows the subject.”
(訳)ルイスの反応の記事を1編読んだ後、ダーウィンはあの記事を書いた人は「見事に文章を書いており、そして(自分の考えの)主題を(十分に)分かっている人」だ、という手紙を友人に書いた。

文頭にing形が来た時にありえるパターンとしては①ingの部分が動名詞となり主語文頭分詞構文CVS(←SVC)の倒置の3パターンがメジャーでしょう。特に②のものは後ろに[主語]+[動詞]と続くため他2つと見分けがつきやすいです。本問も②の文頭分詞構文で解釈することになります。

③はLying on the table was my cat.(←my cat was lying on the sofa.)「テーブルの上で寝転がっていたのは私の猫だった。」のようなものを例文と考えると分かりやすいでしょうか。

それでは、本題である文頭分詞構文について見ておきましょう。

・文頭分詞構文の主な用法5パターン
理由
(例)Not knowing what to do, I asked you for help.
「どうしたらよいか分からなかったので、僕は君に助けを求めた。」

→否定の分詞構文は理由であることが多いです。


例)Walking around the city, I met him.
「その街をぶらぶら歩いているとき、私は彼に会った。」

→whenと置き換えが可能です。

付帯状況
(例)Looking back many times, he went away.
「何度も振り返りながら、彼は去っていった。」
完了分詞構文
(例)Having finished the work, I went to drink with her.
「仕事が終わったので/仕事が終わってから、私は彼女と飲みに行った。」

→分詞の表す時が述語動詞よりも前の時の場合、having+(過去分詞)の形になります。

独立分詞構文
(例)Night coming on, the children went home.
「夜になったので、子供たちは家に帰った。」

→分詞の意味上の主語が主節の主語と異なる場合、分詞の前に主語が補われます。

本問ではHaving read…となっているので④の完了分詞構文で解釈しました。

write to Aは「Aに手紙を書く」の意味です。

capitallyは「見事に」の意味です。この単語の意味を知らなくとも文脈上何か+イメージの語であることは読み取れるはずです。

・未知語の類推

未知語の意味の類推は、

文意から推測
対比・言い換えから推測
単語の成り立ち・語源から推測
日常のカタカナ語から推測(和製英語には注意!)

の4つの視点を持っておきましょう。

・Indeed, as a modern scholar states, “apart from Thomas Huxley, no other scientific writer dealt with Darwin's theory with such fairness and knowledge as Lewes” at that time.
(訳)実際、ある現代の学者が述べているように、当時「トーマス・ハクスリーを除けば、ルイスほど公平にかつ(十分な)知識を持ってダーウィンの理論を取り扱った科学作家は他にいなかった」のである。

ここの文頭のIndeedは前文の内容を具体的に説明していく(内容を補足していく)流れなので「実際」と前文の内容を裏付ける感じで訳出しました。

・asの解釈12パターン

多すぎるので例文は省きます。こればかりは自分で英文に触れながら全部覚えるしかありません。しかし、asの原義は「同じくらい」であり、以下12個の意味は全てそれに派生しています。(聞いた話によると、元々は「同じくらい」の意味しかなかったが、アメリカの若者がasを乱用しだして意味が増えたらしいです。)

1°)前置詞:as+(名詞)
①「~として」→特に、動詞 A as Bで用いられることが多いです。
②「~の頃」→as a childなどで用います。

2°)接続詞:as+完全文
①「~すると同時に」「~しながら」(同時
②「~するにつれて」(比例
③「~するように」(様態
④「~するのとは違って」(対比)→④を否定の文脈で用いる時⑤の意味になります。
⑤「~なので」(理由
⑥「~と同じくらい」(比較級原級
⑦「φ(訳さない)」(名詞限定)→as we know itなどの形で用います。今年の京都大学第1問の下線部(1)でも登場します。(直近では2010年にもthe problem, as we see it,の形で京大で出題あり。)
⑧「~なのだけれども」(譲歩)→現在では(補語)+as SVの形で用いる。

3°)関係代名詞:as+不完全文
①As is usual「いつものことだが」の類
②the same A as~「~と同じA」

apart from「~を除いて」の意味で前置詞のexcept「~を除いて」に近い意味ですね。

deal withは「~を取り扱う」の意味の頻出のイディオムです。

suchときたら何と比較して「そんな」なのかに注目しましょう。ここでは後ろにas「~と同じくらい」と続くので「ルイスと比べてそんな」ということです。

with such fairnessは訳出する際には、so fairly「それほど公平に」くらいで副詞のように訳出したほうがよいでしょう。英語ではこのように名詞表現が多いので嚙み砕いたほうが自然な日本語のなります。

この部分は最上級の言い換え表現とも見ることができます。no other [名詞] as+[形容詞の原形]+so / [比較級]+thanと同じような形をしています。訳出の際は上記のように「ルイスほど~な科学作家は他にいなかった」としてもいいですし、最上級風に言い換えて「ルイスは他のどの科学作家よりも~取り扱った」としてもよいでしょう。

トーマス・ヘンリー・ハクスリー(1825-1895)はイギリスの生物学者であり、「ダーウィンの番犬(ブルドッグ)」の異名で知られ、ダーウィンの進化論を擁護した人物です。有名な方なので興味がある方は後で調べてみましょう。

・Here is what Lewes wrote (with modification) about the background of Darwin's most famous book:
(訳)さてここからは、ダーウィンが書いた最も有名な本の背景についてルイスが書いたこと(に修正を加えたもの)です。

Here is ~「さてここからは~です」という言い回しで、本問ではここから先から本題が始まるよ、という感じの繋ぎの役割を果たしてくれています。

さて、コロンについて学習しておきましょう。

・コロンの解釈

コロンはコロン以前の内容を具体化列挙や補足説明)する働きがほとんどです。

本問では③の換言、強調の意味で使用されています。

列挙
(例)I like Japanese foods: sushi, tempura, and sukiyaki.
「私は和食が好きです。寿司や天ぷら、すき焼きが好きです。(=好きなものは寿司や天ぷら、すき焼きです。)」

→和食の中でも具体的に何が好きかをコロン以下で列挙しています。

補足説明
(例)I have very little time to go to the gym: my new job starts in two weeks.
「私はジムに行く時間がほとんどない。というのも2週間後には新しい仕事が始まるからだ。」

→このコロンはbecauseと置換可能です。このように、単に文章をつなぐだけではなく、and以外の接続詞的な意味を持つこともしばしばあります。

(例)Japan is a forest country: 67% of the land is covered with forests.
「日本は森林の国です。国土の67パーセントが森林で覆われています。」

→コロン以前の内容がコロン以後の内容によって具体的に説明されています。

③換言、強調
(例)Only one student from the school has been nominated for the piano award: me.
「その学校のたった1人の生徒だけがピアノ賞に選ばれました。それは私です。」

→コロン以前で何かしらの内容を述べておいて、コロンの後ろの部分でその内容を具体的に説明したり、コロン以前の条件を満たすものを指定したりします。

以上第1パラグラフは、ダーウィンの考え方に対するジョージ・ヘンリー・ルイスの反応は素晴らしいので以下で説明していこう、という流れでした。しかも最終文に導入文と言い換えのコロンがあるので、第2パラグラフからすぐにジョージ・ヘンリー・ルイスがダーウィンの考え方について論じる部分が始まるのではないか、と予測しながら読み進めていきましょう。

第2パラグラフ

The Origin of Species made an epoch. It proposed a hypothesis surpassing all its predecessors in its agreement with facts, and in its wide reach.
(訳)「種の起源」は新時代を切り開いた。それ(=「種の起源」)は事実と合致しており、幅広い影響力をもったという点でそれより以前の全ての仮説をしのぐ仮説を提唱した。

The Origin of Speciesはおなじみのダーウィンの「種の起源」のことですね。京都大学の学部1回生の英語リーディングの授業では教科書に指定されているクラスもあり、自分も読みました。(笑)

make an epochは「新時代を切り開く」の意味です。抽象的な内容なのでこれ以降の文で対応する具体的な内容が続くだろうな、と予測しながら英文を読み進めていきましょう。何度も言いますが、このように英文では「漠然→具体」の流れがよく展開されます。内容が同一であることも多いので、意味が分からない単語の推測にも役立ちます。必ず抑えておきましょう。

a hypothesis surpassingは(名詞)+(現在分詞)の形ですが、ここでこの形の解釈を見ておきましょう。

・名詞+Vingの解釈2パターン
意味上の主語+動名詞
(例)I cannot stand things not being kept in their proper places.
「私は物があるべき所に置いていないことには耐えられない。」

→Things are not kept…を動名詞にした形であり、thingsがnot being kept…の意味上の主語となっています。「あるべき所に置いていないもの」と訳すのは誤りです。というのも、「耐えられない」対象は「もの」それ自体ではないからです。
→notが入る位置は意味上の主語とVingの間です。英作文で用いる時には注意しましょう。

②名詞+現在分詞
(例)One of the key factors contributing to a country's health care conditions is its number of health care workers.
「国の医療事情に影響する重要な要因のひとつは、医療従事者の数である。」

→contributing to…がthe key factorsを修飾しています。

【注意】
①か②かは文脈次第ですが、まず①の形であることを疑うのが鉄則です。(本問では②のほうで解釈するのが適切です。)入試では圧倒的に①が理解できているかの是非を問う問題が経験上多いです。(模試でもこのタイプの問題は非常に出来が悪いそうです。)

predecessorは「前任者、前のもの」の意味です。pre「前に」+de「離れて」+cede「行く」が語源で、precede(pre「前に」+cede「行く」→「先行する」)と同じ語源です。

surpassは「上回る / しのぐ」の意味です。sur「上に」+pass「通る」→「上を越えていく」が語源です。surはsurprise, surmountなどと同じ語源でスペル的にもよく見ますね。

ここでは主語がa hypothesis「仮説」であり、仮説がすべてのpredecessorをしのぐ、という話なのでpredecessorが人であるというよりはそれより以前の仮説であると読んで上のような訳にしています。仮説が人をしのぐ(仮説vs人)というよりは仮説が仮説をしのぐ(仮説vs仮説)としたほうが自然でしょう。

inは「~という点において」くらいの意味でどのような点でsurpassしているのかを説明しています。

its agreement with factsはit agrees with facts「事実と一致する」の名詞構文です。もとの文章を考えて訳出したほうが自然な日本語になります。

its wide reachも同様でit widely reachs、直訳すると「広く広がる」の名詞構文です。この部分は名詞構文であることを意識したうえで少し意訳気味にしてから訳出しました。

・名詞構文

名詞構文は動詞または形容詞が名詞化して英文の中に組み込まれたものであり、この名詞構文は英語特有の表現です。ですので、直訳してしまうと日本語として不自然になることがしばしばあります。そのため、訳出する際には、名詞を元の動詞または形容詞に戻してから訳すようにしましょう。

他動詞を名詞化する場合、目的語はofまたは所有格で補う。主語もof, byまたは所有格で補う。
→主語のみbyを使用することもあります。特に、名詞の後ろに主語のofと目的語のofの2つが続くと分かりにくいので、その場合は主語のほうがofではなくbyで表されていることが多いです。
→また、他動詞の中にも目的語を示す前置詞の部分にof以外が来る特殊な動詞もあります。(influence / stress on [名詞], answer to [名詞], control over [名詞], demand, love for [名詞]など)

(例)The reduction of inflation must be the government's priority.
「インフレの軽減は、政府が優先してやることにしなければならない。」

→目的語はof以下です。

(例)His acceptance by the dolphin gave him confidence.
「彼はイルカに受け入れてもらったので自信がついた。」

→目的語を所有格で表していることに注意しましょう。主語はby以下で表されています。

(例)I believe that the discovery by computer science of the technical challenges overcome by our everyday mental activity is one of the great revelations of science.(京都大学)
「私は、私たちの日々の頭の活動によって克服される技術上の難題をコンピュータ・サイエンスが発見したことは科学が明らかにした重要なことの1つであると思う。」

→discovery by [主語] of [目的語]とrevelations of [主語]の2つの名詞構文が使用されています。revealは他動詞なのに目的語がない!?と一瞬戸惑うかもしれませんが、revealの目的語はこの文の主語ですよね。目的語をわざわざ書かなくともわかるので書かれていません。

自動詞を名詞化する場合、主語はofまたは所有格で補う。

動詞が取る前置詞はそのまま受け継ぎます。例文を見ておきましょう。

(例)The punctual arrival of airplanes at the airport cannot be guaranteed.
「飛行機が空港に時間通りに到着することは保証できない。」

→主語をof以下で表しています。arrive atのat以下は名詞構文としてしっかり受け継がれていますね。

(例)The star's presence in a film is a promise of what you will see if you go to see the film.
「ある映画にスターがいることは、その映画を見に行った時、見るものがあることを約束する。」

→主語を所有格で表しています。

形容詞を名詞化する場合、主語はofまたは所有格で補う。

(例)Montaigne believed in the superiority of wisdom- knowing what helps us live happily and morally- over mere learning.
「モンテーニュは、知恵、つまり私たちが幸せにかつ道徳的に生活するのを助けてくれるものを知っていることが単なる学問よりも優れていると信じていた。」

→Wisdom is superior to mere learning. が元の文章ですね。

長くなりましたが、この後の部分ではダーウィンの「種の起源」が大きな影響力をもったということが具体化されていくことを予測しながら読み進めていくことになります。(大問1の解答範囲がそろそろ来るのではないか、と思いながら読みます。)

・Because it was the product of long-continued research, and thereby gave articulate expression to the thought which had been inarticulate in many minds, its influence rapidly became European; because it was both old in purpose and novel in conception, it agitated the schools with a revolutionary excitement.
(訳)それ(=その仮説)は長く続けられた研究の産物であり、それゆえ、その仮説によってたくさんの人々の中で明瞭ではなかった考えが明瞭に表現されたので、その(=「種の起源」の)影響はすみやかにヨーロッパ中に広まった。その仮説は(研究)目的としては古くからあるものでもあり、概念として新しいものでもあったので、これまでにないほどの興奮を(自然科学の)諸学派に呼び起こした。

直前の文章の「幅広い影響力をもった」という部分が具体化されていますね。(漠然→具体

becauseから始まる従属節がminds,まで続いています。その後にbecameという動詞があることから従属節の切れ目はここだとすぐに分かりますね。becauseの前にセミコロンがついています。ここでセミコロンついて学習しておきましょう。

・セミコロンの解釈4パターン

セミコロンは接続詞を使うことなく独立した節を繋ぐことに基本的な役割があります。具体化、対比、(列挙)の働きもあれば、特に具体的な日本語上の意味はなく単に2文を繋ぐだけのときもあります。(いずれにせよ、日本語の訳出に直接現れてくることは稀です。)

特に、今年の京大英語大問2(3)で出てきたように(セミコロン)+(and, butなどの接続詞、therefore, howeverなどの副詞)と来た場合はセミコロンには単に「文章の切れ目を明確にする」のみで意味はありません。前後の2文は関連する内容であることが多いです

ピリオドと置換しても意味が通ることがほとんどです。(もちろん(セミコロン)+(and, butなどの接続詞)の場合は無理でしょう。)

しかし、ピリオドほど文章を完全に切らないけれども、カンマよりは文章の切れ目を明確にしてくれます。(セミコロンってよくみると上半分がピリオドで下半分がカンマになっていますよね。)

では重要な意味4つを挙げておいて、例文を見ておきましょう。

具体化
(例)People die. It is a strange event; it is a fate that is not accurately understood.
「人は死ぬ。死とは奇妙な出来事である。死は正確には理解されていない運命なのだ。」

→a strange eventがセミコロン以下のa fate that…により具体化されています。

対比
(例)A pessimist sees the difficulty in every opportunity; an optimist sees the opportunity in every difficulty. (Winston Churchill)
「悲観主義者はあらゆる機会に困難を見る。(それに対して)楽観主義者はあらゆる困難にチャンスを見出す。」

→a pessimist「悲観主義者」とan optimist「楽観主義者」が対比されています。

本問の先ほどの例も(強いて言うならば)対比の意味で使われていると読めるでしょう。

列挙(①に含まれる)
(例)The Silence of the Lambs swept the other major categories in the Academy Awards, with Jodie Foster, for Best Actress; Anthony Hopkins, for Best Actor; and Jonathan Demme, for Best Director.
「「羊達の沈黙」はアカデミー賞において他の主要カテゴリーも総なめにした。ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞、アンソニー・ホプキンスがアカデミーベスト男優賞、 ジョナサン・デミ がアカデミー監督賞というように。」
④単に2文を繋ぐ(接続詞や副詞を伴うことあり)
(例)I think; therefore I am.
「我思う、故に我あり。」

→有名な哲学者のデカルトが方法的懐疑によってもなお疑い得ない存在があるとして、それは疑っているという意識を持つ自分自身であると述べたセリフですね。つまり「自分はなぜここにあるのか」と考えること自体が自分が存在する証明です。

give A to B「AにBを与える」の形が使用されており、Aがarticulate expression「明瞭な表現」、Bがthe thought which…の部分です。

直訳すると、「~な考えに明瞭な表現が与えられた」となりますが、日本語としてやや不自然なので「~な考えが明瞭に表現された」と動詞風に訳しています。(the thought which … was articulately expressed.と捉えています。)

articulateは動詞で「はっきり話す」という意味で有名ですが、形容詞としても「はっきりとした / 明瞭な」などの意味で使用されることがあります。

inarticulateは先程のarticulateに否定の接頭語のin-をつけ「明瞭ではない」の意味となっています。

mindは名詞では「心 / 精神 / 脳」などの意味が有名ですが、そこから発展して「心の持ち主→人」となることがあります。京大入試や京大模試でも過去に何度か出題歴があるので抑えておきましょう。

(例)No mind could have been prepared (than Fleming).(京大オープン2006年8月)
「(フレミングほど)心の準備ができていた人はいなかっただろう。」

→文頭のmindは同じく「人」を表します。ペニシリンを発見したフレミングとその他の人を比較している一文になっています。(人と人とを比較しています。)また、最上級の言い換え表現にもなっています。(出典:The Unnatural Nature Of Science)

セミコロンはセミコロン以前の内容を具体的に説明しています。ここでは直前の「その影響がヨーロッパ中に広まった」ということを具体化しています。

in purposeはon purposeの誤用と考えることもできますが、ここでは「(「種の起源」の研究)目的としては」と訳しています。

→ご指摘頂きましたが、「一元論的な考え方をしていた人たちは古くからいたので研究の方向性的には古いけれども、ダーウィンの進化論や自然選択説という概念的には新しいものであった」という文意ですので、on purposeの誤用の線は消しておきます。

in conceptionは「概念としては」の意味です。bothで繋がれたこの部分をまとめると、「その仮説は(研究)目的としては古くからあるものでもあり、概念として新しいものでもあった」となります。実際、(第3パラグラフ第1文でも言及されますが)進化論は古代ギリシャから長くある考え方であり、ダーウィンの提唱した仮説(進化論的)は確かに研究目的としては古くある、と言えます。

agitateは「興奮させる / (感情などを)かき乱す」の意味です。ag-「引き起こす / 駆り立てる / 動かす」が語源でaction,activeなどと同語源です。

schoolは「学校」の意味ではなく、「学派 / 流派」の意味です。LDOCEの定義では"a group of people with the same methods, opinions or style"とあります。

revolutionaryは「画期的な」→「これまでにないほどの」と文脈に合う形で訳出しています。

agitateとexcitmentはどちらの単語も「興奮」のニュアンスをもち、2回訳すとやや冗長になってしまうため、訳を工夫しています。

・No work of our time has been so general in its influence.
(訳)当時の作品に(ダーウィンの「種の起源」ほど)影響力の点で普遍的だったものは1つもなかった。

ここでも最上級の言い換え表現が使用されており、しかも比較対象のダーウィンの「種の起源」が自明であるため省略されています。省略を補って最上級に直すと、The Origins of Species has been most general in its influence of all works of our time.となります。

our timeと言っているのはこの筆者から見た「自分たちの時代」になるので、訳出するのであれば「当時」とすべきでしょう。

generalは「一般的な」という訳語しか覚えられないがちですが、幅広く範囲をもったイメージで捉えてあげることが大切で、「全般的な / 普遍的な」くらいで訳しました。

・This extent of influence is less due to the fact of its being a masterly work, enriching science with a great discovery, than to the fact of its being a work which clashed against one and chimed with the other of the two great conceptions of the world that have long ruled, and still rule, the minds of Europe.
(訳)影響がこれほど幅広いのは、「種の起源」が見事な著作であり、大きな発見をもってして科学を豊かにするという事実によると言うよりはむしろ、「種の起源」がヨーロッパ人の思考を長きにわたって支配してきた、そして今なお支配している2つの大きな世界観の一方とは衝突し、もう一方とは調和する著作であるという事実によるものだ。

明らかに共通関係がややこしい文章が来ました。(→設問(1)で該当箇所となります。)

this extent of influenceとは前文のNo work of our time has been so general in its influence.の内容を受けてthis「これだけ」と言っています。このことを踏まえれば前文のgeneralがこの文章のextentに言い換えられていることにも気づくでしょう。

この文章は全体としてはA is less due to B than due to C.となっています。この表現はA is more due to C than due to B.やA is rather due to C than due to B.「BのせいであるというよりもむしろCのせいだ」とほぼ同義です。

Bにあたる部分がthe fact of its being a masterly work, enriching science with a great discovery、
Cにあたる部分がthe fact of its being a work which clashed against one and chimed with the other of the two great conceptions of the world that have long ruled, and still rule, the minds of Europeとなっています。

due to以下はBもCもthe fact of its beingという構造を取っていまっすね。綺麗な対比構造です。

Bの部分についてits being a masterly workは名詞+Vingの形をしており、it is a masterly workの動名詞化表現です。

enriching以下は文末分詞構文で分詞構文の主語はit(=「種の起源」)です。

Cの部分についてits being a workは名詞+Vingの形をしており、it is a workの動名詞化表現です。

その後ろの修飾関係が非常にややこしいのですが、of the two great conceptions of the worldがoneとthe otherの両方にかかっていて(いわゆる因数分解型の共通関係)、that have long ruled以下がthe two great conceptions of the worldを修飾しています。さらに、the minds of Europeはhave long ruledとstill ruleの共通の目的語となっています。(こちらも因数分解型の共通関係)

clash againstとchime withは動詞を見ても、前置詞を見ても明らかに対比されています。chime「調和する」の意味を知らなくとも、文脈からoneとthe otherが対比されていることは明らかですし、clashとchimeの対比には気づきたいところです。

chimeは元々ラテン語のcymbal「シンバル」に由来し、英語にやって来た後、誤訳されて「教会や時計塔で鳴るチャイムの音(名詞)」→「美しく調和した音を奏でる(動詞)」と意味が変化しました。日本語で「(授業の合間などに鳴る)チャイム」と言う場合には前者を指していますね。

ruleは「支配する」の意味の動詞です。また、ここのmindsは「人」ではなく「心 / 精神」の意味です。

・One side recognized a powerful enemy, the other a mighty champion.
(訳)一方は強力な敵を認識し、もう一方は強力な味方を認識した。

この1文は非常にやっかいです。省略がたくさん生じています。まず、the other a mighty championの部分が引っかかるのではないでしょうか。動詞recognizedに続く形で目的語としてこのように名詞を2つ並べているとすると明らかに不合理です。そこで、oneとthe otherが対比されていることに気付くと、the other recognized a mighty championと省略を補うのが自然でないでしょうか。(さらにthe otherもthe other sideの省略ですね。)

さらにはa powerful enemy「強力な敵」とa mighty champion「強力な味方」も対比されています。championは「擁護者 / 味方」の意味です。ここで脳死で「優勝者」と訳してしまうと折角の対比構造が台無しです。

また、一部の英英辞書では「mightyはpowefulよりも"強い"という意味を持つ」とあります。この文章では最終的にはダーウィンの種の起源側(=a mighty champion側)が優勢だと結論づけられるのですが、powerfulとmightyのニュアンスの違いがそこにも表れており、筆者は後者のa mighty championのほうが相対的に強く、最終的には勝つ、ということを暗示しているのかもしれません。

ここまで補って読んでも、One side recognized a powerful enemy, the other side recognized a mighty champion.となり、節同士がコンマのみで結び付けられており、やや違和感が残ります。結論から言うと、この文のように対比構造が意識される場合、間の等位接続詞を省略することがあり、これを専門用語ではAsyndeton(接続省略)と言います。

Asyndetonはギリシャ語に由来し、文章の副次的意味を減らして簡潔にし、文章を読むリズムを上げてくれます。

このことから、元の文章を復元すると、One side recognized a powerful enemy, and the other side recognized a mighty champion.となります。

「一方」というのは直前の文章のone、「他方」というのは直前の文章のthe otherにそれぞれ対応していますが、以前としてその実態は不明ですね。oneとthe otherの正体は一体何なんでしょうか?

・It was immediately evident that the question of the "origin of species” derived its significance from the deeper question which loomed behind it.
(訳)「種の起源」に関する問題はその背後に見えてくるより深遠な問題によって、重要性を得たということが直ちに明らかとなった。

形式主語のitが冒頭に来ており、that以下を受けています。

"origin of species”の部分では原文では大文字となっていることからダーウィンの「種の起源」を指すことが分かります。(" "が付いていることからも「まさに種の起源だよ」ということが分かります。)

derive A from Bは「BからAを引き出す / 得る」の意味です。よく受動態でbe derived from「~に由来する」と使用されているのを目にします。

loomは「(はっきりとはしないが)現れてくる」の意味です。

the deeper question which loomed behind it「その背後に見えてくるより深遠な問題」はどうもここまでで述べらていたthe two great conceptions of the world「2つの大きな世界観」と関係がありそうです。

というのも、「「種の起源」の影響がこれほど幅広いのは2つの大きな世界観によるものだ」→「その2つの世界観の片方は敵でもう片方は味方だ」→「(その世界観に関する)より深遠な問題によって重要性を得た」と流れが通るからです。

deeper「より深遠な」と言っているのも単に「種の起源」がある1つの考え方と衝突し、もう片方とは相容れない、ということだけに留まらない、ということを含意しています。

・What is that question?
(訳)(では)その問題とは何か?

that questionとは直前のthe deeper question which loomed behind itのことを指しています。

以上、第2パラグラフは、「種の起源」が非常に強い影響力をもち、2つの相反する考え方が根底にあるのだが、それらは一体何なのだろうか?という流れで展開されていることになり、先程の考察から単にその2つの相反する考え方と「種の起源」が衝突・調和するだけには留まらない、ということも推察されます。これらの点を踏まえて第3パラグラフを読んでいくと、すんなり理解できると思います。

第3パラグラフ

(a)If we trace the history of opinion from the dawn of science in Greece through all succeeding epochs, we shall observe many constantly reappearing indications of what may be called an intuitive feeling rather than a distinct vision of the truth that all the varied manifestations of life are but the flowers from a common root — that all the complex forms have been evolved from pre-existing simpler forms.
(訳)ギリシャにおいて科学が誕生してからその後すべての時代を通しての思想史をたどると、私たちはある真実が明確に見えていると言うよりもむしろ、その真実を直感的に感じただけと呼べるかもしれないものを示唆するものがたくさん、絶えず繰り返し現れるのを目にするだろう。そして、その真実とは、生命が様々な形で現れたものはすべて、共通の根から育った花でしかないということ、つまりすべての生命の複雑な形態は以前から存在するより単純な生命の形態から進化してきたということである。

traceは「~を辿る」の意味です。

実は古代ギリシャにおいても源流思想の中には進化論的な考え方をする哲学者がいました。その中でも祖とされているのがエンペドクレスやアナクシマンドロスです。

エンペドクレスは万物のアルケー(=根源)が火・土・水・空気の4つにあるとし、これら4つは生成・消滅することはなく、これら4つが離散集合を繰り返すことで生命も含めた事物が生成・消滅するという超自然的な世界観を提示しました。そして、後の進化論に類似した考え方も書いています。

アナクシマンドロスは万物の根源がト・アペイロン(無限あるもの)であるとし、事物の起源は、限りのないもので、事物がそこから生まれたものへと、その死も必然的に帰っていくと考えました。この哲学者も生命は海の中で誕生し、後に地上に移住したと主張しているようです。

余談ですが、高校倫理においてアナクシマンドロスは古代ギリシャの哲学者の中でもかなりマイナーですが、①名前がかっこいい ②名前が長いので知識マウントを取った気になれる(なお実際には倫理は不得意でした)という2点で好きな哲学者でした。

dawnは「始まり」や「夜明け」の意味です。夜明けを一日の始まりだ!、と捉えておくと覚えやすい単語です。

from A through Bは「Aから始まってBを通して」の意味です。

succeedingは「後に続く」の意味です。そもそもsucceedはsuc-「後に」+ceed「行く/ 続く」が原義ですから、”成功する”だけ覚えていても仕方がないです。注意しましょう。

ifから始まってepochsまでが従属節です。Weから主節が始まります。

shallは単純未来の用法で「~だろう」くらいの意味です。イギリス英語では1人称主語であっても単純未来のshallを用いることができます。(英文法解説P214より)

observeの目的語がややこしいですね。many constantly reappearing indications of…となっていますが、indication…の名詞構文に形容詞が3つ付いてきて毛が生えた構造になっています。

observe many things which indicate…(O) constantly reappear(V)くらいの日本語で訳出すると綺麗な日本語になってくれます。ここの部分が日本語にするのが正直一番難しいです。

indications ofの後ろではWhat may be calledが挿入されていると形式上みなしておくとすんなり理解できます。

問題はその後ろの構造です。注意したい点が何個かあるので順に説明していきます。

まず、of the truth that…の修飾先に関しては、an intuitive feeling「直感的理解」とa distinct vision「明確な見方」の両方にかかっています。(いわゆる因数分解型の共通関係)

feeling of Aはfeel Aの名詞構文です。

※1この部分に関して、an intuitive feelingとa distinct vision of the truthが並列されていてthat…が両方にかかっているという解釈を提示されている方もいました。こちらの解釈も一応ありなのではないかと判断し、以下の問題解答では”諸説あり”としています。

※2とはいえ、これはof the truth…がa distinct visionだけにかかっていると考えるのは流石に明らかに不自然です。rather thanで結ばれた後ろの名詞だけが重くなりすぎてしまいます。
→ご指摘頂きましたが、この解釈を完全には否定できないようです。その論拠として、①原文ではan intuitive feelingがa premonitory feelingとなっていますが、a premonitory feeling of the truth という表現に違和感が残る点 ②a premonitory feeling of the truthとしてしまうと、その時点でthat節以下を真実として断定してしまうことになりますが、少なくともこの部分までではそうは言い切れないかもしれないという点 この2点からこのような解釈も可能性としては残るようです。

all the manifestations of lifeはAll (of) the manifestations of lifeのofが省略された形です。manifestationは「明らかになること / はっきりと現すこと」の意味です。この部分は他動詞manifestの名詞構文とも読めます。訳出は少し工夫しないとうまくいきません。

butは副詞で「~でしかない」の意味でonlyと似た意味になります。このbutは元々前置詞のbut「~を除いて」から派生しており、nothing but「~を除いて何もない→~でしかない」のnothingが次第に脱落して生じたとされています。京大でも何度か出題されています。接続詞だとしてしまうと、are butとなり文法上の整合性から取れないことから、このbutの用法をたとえ知らなくとも前置詞であると即座に判断したいところです。

but the flowers from a common root「共通の根から育った花」というのはダーウィンの進化論において、全ての生物が共通の祖先から進化した、という部分に対応しています。

そのことは次の点からも明らかです。ダッシュ記号(―)の後ろにもthat節がありますが、このthat節は先程のthe truth thatのtruthと同格that節の言い換えになっています。

つまり、truthに対して2つの同格のthat節がかかっているとも読めます。

ここではall the complex formsはpre-existing simpler formsから進化した、つまり先程のthat節の言葉を借りるのであれば、all the complex forms= the flowers, pre-existing simpler forms= a common rootとなりますね。ダーウィンの進化論の考え方そのものを表しています。

・This idea about evolution survived opposition, ridicule, refutation; and the reason of this persistence is that the idea harmonizes with one general conception of the world which has been called the monistic because it reduces all phenomena to community, and all knowledge to unity.
(訳)進化に関するこの考え方は反対する考え方と対立したり、嘲笑を受けたり、論駁されたりしながらも存続しており、これほど持続しているのは、その考えが一元論と呼ばれてきた一つの全般的な世界観と調和するからだ。そして、それはあらゆる現象を共通のものに還元し、あらゆる知を還元して統一するから調和するのである。

あらゆる現象を共通のものに還元する一元論と、あらゆる生物を共通の祖先に還元するダーウィンの進化論とが似通っており、相性もいいことが述べられていますね。それゆえ、ダーウィンの進化論は批判を受けながらも存続してきたのです。

This idea「この考え」とは前文の「生命が様々な形で現れたものはすべて、共通の根から育った花でしかないということ、つまりすべての生命の複雑な形態は以前から存在するより単純な生命の形態から進化してきたということ」を指しています。

surviveは「~を切り抜けて生き残る」の意味です。無生物主語なのでうまく訳出したいところです。

ridicule「嘲笑」やrefutation「反駁」は難しい単語ですが、opposition「反対」と共に並列されていることから、何かマイナスイメージであることは読み取れます。このように、単語の意味が分からなくとも最低限+イメージか-イメージかくらいは読み取るようにしましょう。

等位接続詞andの前のセミコロンは最近よく見かける特に意味のないやつですね。

This persistence「この粘り強さ」とは直前のThis idea about evolution survived opposition, ridicule, refutationという部分を受けています。

harmonizeは何度か出てきているchimeと同じで「調和する」の意味です。

and以下はthe reason…is that SV because…と言う構造になっています。このthatは接続詞のthatで「SVということ」の働きをしています。because節もこのthat節内に含まれていることに注意したいです。

reduce A to Bは「AをBに還元する」の意味です。reduceのこの用法もしっかりと抑えておきましょう。(attributeなどと同義)

communityはここでは明らかに「地域共同体」なんかではなくニュアンス的には、「同じようなものが集まったもの」くらいです。

it reduces all phenomena to community, and all knowledge to unityの部分でも第2パラグラフで見たのと同じ省略が生じており、復元すると、it reduces all phenomena to community, and it reduces all knowledge to unityとなります。

・This conception is irreconcilable with the rival, or dualistic, conception, which separates and opposes force and matter, life and body.
(訳)この概念(=一元論)は対立する概念、つまり二元論とは相容れない。(そして)二元論は精神と物体、心と体を分離し、背反するものだとした。

「精神と物体、心と体を分離し」と言っているのは物心二元論や心身二元論のことを指しています。高校の倫理でも学習する内容なのでほとんどの方が知っているでしょう。

the rival, or dualistic, conceptionの部分はrivalとdualisticの両方にかかっていて、the rival conception, or dualistic conceptionとなります。そして、このorは選択のorではなく換言「つまり」の意味を表します。京大ではorの意味が単純に選択「あるいは」ではないことが何度かありました。注意しましょう。

orの解釈4パターン

①選択あるいは
→一番身近だと思います。例文は省略します。

②換言つまり
→orの前後の語が同一内容の時にはこの用法の可能性を意識してみましょう。

(例)We can list four maxims, or basic rules, that follow from the cooperative principle: quantity, quality, relation, and manner.(京大1987)
「協力の原則に続く4つの原理、すなわち基本ルールを挙げることができる。4つの原理とは量、質、関係性、態度である。」

→orを挟んでfour maximsとbasic rulesが同意表現になっています。また、列挙のコロンも使用されていますね。

③訂正いやむしろ
→or ratherくらいのニュアンスです。orの前で述べた語句をorの後ろの語句で訂正します。

(例)The poem, or the kind of poem we write nowadays, is a single emotional spear-point, a concentrated effect that is achieved by leaving everything out but the emotion itself.(京大1988)
「詩というものは、いやむしろ今日書かれている類の詩は、感情が一本の槍の先になったもの、つまり感情そのもの以外を一切排除することによって得られる集中的な効果である。」

→総称のtheが使用されており、the poem「詩というもの」を訂正してthe kind of poem we write nowadays「今日書かれている類の詩」と言っています。single emotional spear-pointとa concentrated effectはカンマを挟んで同格であり、that以下はeffctにかかる関係代名詞節です。また、butは前置詞として使用されており、「~を除いて」の意味です。

④肯定命令文やmust, had betterなどを含む文章の後でそうでなければ

(例)Don`t move, or I'll shoot you.(ジーニアス英和辞典)
「動くな、動くと撃つぞ。」
・The history of thought is filled with the struggle between these two general conceptions.
(訳)思想史はこれら2つの全般的な概念の間の争いで満ち溢れている。
・ I think it may be said that every man is somewhat by his training, and still more by his constitution, predisposed towards the monistic or the dualistic conception.
(訳)私が考えるところでは、すべての人間は自身の(後天的)学習によって多少は、そして(先天的な)気質によってさらにいっそう一元論あるいは二元論のほうへ仕向けられる。

ここはI thinkとあるように明らかにルイス自身の個人的(主観的)な意見です。(第6パラグラフ最終文でもFor myselfと明示されてから彼自身の意見が展開されています。)

trainingとconstitutionは後天的なものと先天的なものとして対比されているようにも読めます。

predispose A [to / toward] Bは「AをBのほうへ傾かせる」の意味です。ここでは人間はみな一元論あるいは二元論のいずれかの側に立つことになる、とルイスが自信の意見を述べています。ややこの1文は蛇足気味ですが。

・There can be little doubt that the acceptance or the rejection of Darwinism has, in the vast majority of cases, been wholly determined by the monistic or dualistic attitude of mind.
(訳)ダーウィニズムを受け入れたり拒絶したりするのが、圧倒的にほとんどの場合、完全に一元論的あるいは二元論的な考え方によって決まってきたということには疑いの余地はほとんどない。

There can be little doubt thatは「~ということは疑いの余地がほとんどない」という意味です。

the acceptance or the rejection of Darwinismはaccept or reject Darwinismの名詞構文です。rejectはrefuseよりもより強く拒む感じですね。しばしば公的な場でも使用される語です。(日本語でも「論文をリジェクトされた!」みたいな言い回しをよく耳にします。)

以上第3パラグラフでは、全ての生物は共通の祖先から進化したとするダーウィン的な考え方は歴史を遡ると直感的に捉えたものが多く、また、一元論となじむため、存続してきた。その過程でダーウィンの考え方の是非は一元論か二元論の立場から論じられることが多かった、ということが述べられていました。第2パラグラフで出てきた謎のoneとthe otherが二元論と一元論にちょうど対応していることが分かりましたでしょうか?

以下の第4パラグラフではダーウィンの「種の起源」の是非がその一元論と二元論の立場から論じられてきたことが更に深められていきます。

第4パラグラフ

(b)And this explains, what would otherwise be inexplicable, the surprising ease and passion with which men wholly incompetent to appreciate the evidence for or against natural selection have adopted or “refuted” it. Elementary ignorance of biology has not prevented them from pronouncing very confidently on this question; and biologists with scorn have asked whether men would attack an astronomical hypothesis with no better equipment. Why not?
(訳)そして、このことによって他の方法では説明がつかないであろうこと、すなわち、自然選択の証明となる、あるいはそれに反する証拠を正しく理解することが完全にできない人々が驚くほど簡単に、そして驚くほど情熱的にそれ(=自然選択)を受け入れてきた、あるいはそれに「反駁」してきたことが説明される。生物学を根本的に知らずとも、彼らはこの問いについてとても自信をもって意見を述べることの妨げになることはなかった。そして、生物学者は嘲笑しながら、人々は(生物学を知らずにこの問いについてとても自信をもって意見を述べるのと)同じくらい大した知識もないのに天文学の仮説を攻撃するだろうか、と問うてきた。どうして自身をもって意見を述べることの妨げにならなかったのだろうか?

thisは第3パラグラフ最終文の内容を受けて、「ダーウィニズムを受け入れたり拒絶したりするのが、圧倒的にほとんどの場合、完全に一元論的あるいは二元論的な考え方によって決まってきた」という内容を表します。

explainの目的語はwhat would otherwise be inexplicableであり、この部分は直後のthe surprising ease with which…と同格です。このように不自然に名詞が2連続で等位接続詞なしに来た場合、その2つの名詞が同格ではないか?ということを疑う癖を付けましょう。京大でもこの類のものは過去問でもよく見かけます。
→「同格です」と書いていますが、本来カンマで挟まれたwhat would otherwise be inexplicableは挿入句です。「そして、このことによって他の方法では説明がつかないのだが、自然選択の証明となる、あるいは…」と訳出するほうが正確です。しかし、意味上ではカンマで挟まれた前後の部分が同格のようになっているため、同格と書いてました。ご指摘頂きありがとうございます。

otherwiseはここではin other waysと同義で「その他の方法で」という意味を表します。その他と言っているのは先程のthis以外では、ということです。

what would otherwise be inexplicable=the things which would otherwise be inexplicableです。wouldは仮定法過去であり、otherwiseと呼応しています。(「もしこれ以外の方法で説明しようとするならば」というニュアンスが含まれています。)

the surprising ease and passion with which…はいわゆる関係代名詞の焦点化です。英語では名詞中心の表現になるので、日本語らしく文章にして訳出しましょう。訳出するときは、that men … have adopted or “refuted” it surprisingly easily and passionately.と元の文章を意識しましょう。

which節の中ではmenが主語ですが、対応する動詞を把握するのがやや困難です。結論から言えば、wholly incompetent to appreciate the evidence for or against natural selectionがmenを修飾していて、have adopted or “refuted”が動詞です。他に述語動詞候補としては、appreciateしかありえませんが、もしこれが動詞だと仮定すると、incompetent toのtoとhave adopted or “refuted”が浮いてしまうので不合理で、この解釈はあり得ないことになります。

incompetent toは「~する能力がない」の意味です。

appreciateは「正しく理解する」の意味で、その目的語はthe evidence for or against natural selectionです。これもthe evidence for natural selection or against natural selectionが正しい意味で、「自然選択説を支持する、またはそれに反対する証拠」となります。賛成のforと反対のagainstが対比されています。

adopted or “refuted”も「受け入れる」と「反駁する」で対比されています。refuteに関しては第3パラグラフ第2文にもその名詞形のrefutationがあり、それが何か反対のニュアンスを持つ-イメージの語であったこと、さらにはadoptedと対比されていることあるいは二元論側の人々が自然選択説を扱っていることをイメージするなどによって、知らなくとも、その意味は簡単に推測できるでしょう。

この単語に””が付いているのは筆者の「反駁することはおかしいのだけれども、二元論側の人々は紛れもなく反対してきたのだ」という思いが込められている気がします。

まず、elementary ignorance of biology has not prevented…は無生物主語構文で否定の無生物主語構文ではしばしば「譲歩」のニュアンスを込めて訳出することがあります。本問で言えば、「生物学を根本的に知らずとも」となります。

さらには、elementary ignorance of biologyはbe elementally ignorant of biologyの名詞構文なのでこれまた注意しましょう。

prevent O from Vingは「OがVするのを妨げる」の意味です。

pronounceは文脈上どう考えても「発音する」は論外です。ここでは「発言する / 断言する」くらいの意味です。

andの前にこれまたセミコロンがついていますが、意味は特にありません。(この手のセミコロンが今年の京大英語では多いですね笑)

with scornは「軽蔑して / 嘲笑して」の意味です。

with no better equipmentはwith no better equipment than they pronounced very confidently on this question withの省略で、元々はクジラ構文です。省略を復元して訳出すると、「生物学を知らずにこの問いについてとても自信をもって意見を述べるのと同じくらい大した知識もないのに」となりますが、今年は採点がどうも緩そうなので「大した知識もないのに」くらいで訳出しても減点されないかもしれません。

Why not?はWhy elementary ignorance of biology has not prevented them from pronouncing very confidently on this question?の省略です。

この2箇所については、”予備校の解答割れ問題”の部分で詳しく言及しますが、文脈としては、「大した専門知識もないのに一元論や二元論といった概念を持ち出して自信満々にあれやこれや言うてるけど、天文学でも同じことをできるん?」と生物学者が激怒(あるいは嘲笑くらいかも)している部分になります。

関係代名詞による論点の明確化

まずは、こちらの例文を見てください。

(例)I was surprised that he solved the problem with ease.
「私は彼がその問題を簡単に解いたことに驚いた。」

これだと、何に驚いたかということがあまり明確ではありません。ですが、次のようにatの後ろを名詞にすることで、

(例)I was surprised at the ease with which he solved the problem.
「私は彼がその問題を簡単に解いたことに驚いた。」

とすることで、日本語の訳には変化はあまりあらわれていませんが、英文を見ると驚いた対象がthe easeであることが明確に読み解れると思います。このように英語では名詞化表現が好まれます

実際の英文では下の表現で出てくることがほとんどです。下の表現を見た時に頭の中で上の表現に戻して日本語らしく訳出する、ということが大切になってきます。(「その簡単さに驚いた」なんて訳すとあまりにも不自然です。)

また、日本語に戻す時に、how節風に訳すのも一つの手です。この例だと、

(例)I was surprised at how easily he solved the problem.
「私は彼がいかに問題を簡単に解いたかということに驚いた。」

くらいになります。この例だとhowとして訳すメリットが伝わりにくいので、以下の京大入試の例文で確認しておきます。

(例)But whereas the poet relies on the intensity with which he can say it, the novelist relies on the persuasiveness with which he can show it.(京大1988)
「しかし、詩人がいかに力強くそれを語るかに依存しているのに対し、小説家はいかにそれを説得力をもって見せるかに依存している」

→詩人と小説家の対比を表す1文です。the intensity with which he can say it=how intensely he can say it, the persuasiveness with which he can show it=how persuasively he can show itとかみ砕いて日本語らしく訳出しています。また、文頭のwhereasは対比を表します。

また、この類の関係代名詞の焦点化として、

The extent to which SVどの程度SVか
The ease with which SV簡単にSV

などが有名です。日本語の訳出の際には留意しましょう。

この部分の理由が次の1文から展開されていきます。

・They feel themselves competent to decide the question from higher grounds.
(訳)(というのも)彼らは、自分たち自身が(より)高度な立場からその問題の結論を下すことができると思っていたのだ。

先程のWhy not?「どうして自身をもって意見を述べることの妨げにならなかったのだろうか?」の部分に対する回答がここから続く2文で展開されていきます。

feel O Cの形も使用されています。

the questionは即出の「ダーウィンの自然選択説が正しいか否か」という問題のことを指しています。

higherは絶対比較級とみなして「より」という日本語をわざわざ訳出しなくてもいいかもしれません。(絶対比較級は比較の対象をはっきりと示さないで、漠然と程度が高いことを表します。)

higher grounds「高い立場」、と言っているのはダーウィンの自然選択説の是非を、抽象度を1段階上げて一元論と二元論の立場から論じているからです。

・Profoundly convinced of the truth of their general conception of the world, they conclude every hypothesis to be true or false, according as it chimes with, or clashes against, that conception.
(訳)自分たちの全般的な世界観が正しいことを深く確信していたので、彼らはすべての仮説を、それがその概念と調和するか、あるいは衝突するかに応じて、正しいか間違っているか結論づけることができたのである。

前半部分はbeingが省略された文頭分詞構文とみなすこともできます。ここでは理由の意味で訳出しています。

conclude O to be Cは「OがCであると結論付ける」の意味です。

according as SVは「SVに応じて / 従って」の意味です。現代ではほとんど見ない熟語です。英文の古さがここにも表れています。

第2パラグラフでもchimeがでてきましたが、ここでもchimes with, or clashes againstとあるので意味を対比構造から推論できますね。

以上、第4パラグラフでは一般の人々が専門的な知識がなくとも、一元論と二元論の立場から簡単に、自身満々に自然淘汰が正しいか否かを判断していたため、生物学者はブチ切れた、という内容が述べられていました。では最後の第5パラグラフにいきましょう。これまでのお話が総括されて、ルイス自身の意見も述べられます。

第5パラグラフ

・So it has been, so it will long continue.
(訳)これまでもそうだったし、これからもずっとそうなるであろう。

省略CSVの補語Cの(名詞句の)倒置が生じており、元の文章を復元すると、It has been so, and it will long continue (to be) so.となります。SVCの倒置のCVSはよく見る形です。ですが、SVCのSが代名詞の時に限っては文章のリズムの関係で倒置は生じません。(便宜上、これも倒置の一種とみなすようです。)

CVSの倒置

情報の流れに配慮して、通常SVCとすべきところが、補語が文頭に置かれるとCVSと倒置が生じます。(主語が名詞である時に限る)ただし、主語Sが代名詞の場合には文章のリズムの関係でSVのままであり、倒置は生じません。CVSの倒置が生じる時にはSが新情報であり、Cは旧情報であることが多く、前文との繋がりを示すキーワードがついている場合が多いです。例文で確認していきましょう。

(例1)Gone are the days when experience of a dramatic performance was either a rare feast-day occurrence; or restricted to the social elites of courts; or accessible only to the more affluent classes in the larger cities.(京大1992)
「劇の上演を見る経験が、めったにない祭日の出来事だったり、宮廷の特権階級に限られていたり、大都市の裕福な階級だけが得られたものだった時代はもはや過ぎたのである。」

→Gone are the days when…はThe days are gone when…と同じで、when以下はthe daysを修飾しています。largerとmore affuluentは比較の対象をはっきりと示さないで、漠然と程度が高いことを表す絶対比較級として使用されています。また、either A or B or Cの形が使用されており、orの前に切れ目を意識させるセミコロンも使用されています。(接続詞の前のセミコロンを参照)

(例2)The animals were fitted with numbered ear tags, released, and their whereabouts were then recorded. Although next to nothing was revealed about how they got to various places, due to limitations of the techniques being employed, deep into the high Arctic, more than 2000 kilometers away, is where some were recovered.(京大2012)
「その動物たち(=ホッキョクギツネたち)は番号の付けられた耳標を付けられて放たれ、それからそのホッキョクギツネたちがどこにいるかが記録された。ホッキョクギツネたちがどのようにして様々な場所に辿り着いたのかに関しては、用いられた技術の限界のせいでほとんど何も明らかにはならなかったが、奥深い北極の高緯度の場所、つまり2000キロメートル以上離れた場所で何頭かのホッキョクギツネたちが確認された。」

→deep into the high Arctic, more than 2000 kilometers awayの部分はカンマを挟んで補足説明的な同格になっており、この部分を含む1文を元に戻すと、Where some were recovered is deep into the high Arctic, more than 2000 kilometers away.となります。

(例3)Unlucky they are who don't like their work.(ロイヤル英文法P770)
「自分の仕事を好まない人達は不運だ。」

→主語が代名詞theyになるため、見た目上の倒置は生じず、CSVの語順になり、補語だけが前に出た形になっています。who以下はtheyを修飾しています。

itはここでは漠然とした状況を指していると捉えておきます。

soとは第4パラグラフ最終文の内容:「人々はすべての仮説を、それがその概念と調和するか、あるいは衝突するかに応じて、正しいか間違っているか結論づけることができた」を指しています。

まとめると、これまでも人々は一元論あるいは二元論のいずれかに調和するか衝突するかに応じてダーウィンの自然選択説の是非を論じてきたし、これからもずっと人々はそうやって論じ続けるだろう、となります。

・The development hypothesis is an inevitable deduction from the monistic conception of the world; and will continue to be the battle-ground of contending schools until the opposition between monism and dualism ceases.
(訳)(ダーウィンの)進化論は必然的に一元論的世界観から推論されるものであり、そして一元論と二元論との対立が止むまでは、争い合う学派の戦場であり続けるだろう。

The development hypothesisはtheがついているのでここまでで述べられてきた仮説、あるいは総称のtheとなりますが、後者は明らかに不合理です。実際、原文を見てみると、the Development Hypothesisと大文字になっていることから固有名詞的な意味合いもあるのではないでしょか。その点も踏まえて前者の解釈のほうを採用することにし、「ダーウィンの発達仮説」→「ダーウィンの進化論」と訳出しています。

ダーウィンの進化論が一元論から推論される、すなわちダーウィンの進化論が一元論の演繹となっている(=一元論が元になっている)という内容は第3パラグラフ第1、2文にも記述されていました。

特に、第2文ではthe idea harmonizes with one general conception of the world which has been called the monistic because it reduces all phenomena to community, and all knowledge to unity「その考えが一元論と呼ばれてきた一つの全般的な世界観と調和するからだ。そして、それはあらゆる現象を共通のものに還元し、あらゆる知を還元して統一するから調和するのである。」とありましたよね。

ダーウィンの進化論は「すべての生物が共通の祖先から進化した」と主張するために、一元論と相性が良いのです。

inevitableはin「~ない(否定)」+evit「避ける」+able「~できる」→「避けることができない」→「必然的な / 不可避の」という意味の頻出単語です。

deductionは「推論 / 演繹」の意味です。演繹とは一般的事実から特殊な例を導き出すことであり、本問の例で言うと、一元論とい抽象概念からダーウィンの進化論という個別の事例が導き出される、ということになります。

接続詞のandの前のセミコロンは特に意味のないパターンですね。京大英語大問1でも出て来ましたよね。

contendは「争う」の意味の動詞で、ここでは一元論側と二元論側の争いのことを言っています。なのでschools「学派」というのも一元論的考えをする派と二元論的考えをする派、すんなり理解できます。(この意味でのschoolは第2パラグラフにもありましたよね。)

この部分をまとめて、the battle-ground of contending schoolsとは「一元論と二元論が争い合う戦場」つまり「一元論と二元論の対立の場」と読み取ることができます。(ダーウィンの進化論をひとつの大きな論争の種として扱うイメージです。)

ceaseは「終わる / 終える」の意味の動詞です。

・For myself, believing in the ultimate triumph of the former, I look on the development hypothesis as one of the great influences which will by its acceptance, in conjunction with the spread of scientific culture, hasten that triumph.
(訳)私自身、最終的には前者が勝利することを確信し、(ダーウィンの)進化論を、それ(=ダーウィンの進化論)が受け入れられることによって、そして科学的な文化が拡大していくのと相まってその勝利を早める大きな影響力の1つであるとみなす。

引用部分の最後にルイス自身の個人的な見解も示されています。

believingからは文頭分詞構文が始まります。(the formerまで)

look on A as Bは「AをBとみなす」の意味の熟語です。

by its acceptanceはit is acceptedの名詞構文です。日本語らしく訳出しましょう。

conjunction with Aは「Aとの繋がり」の意味です。こちらもconjunct with Aの名詞構文ですね。conjunctはcon-「一緒に」+junct(←joinと同語源)「繋ぐ」が語源です。

whichから始まる部分はwill hastenの間に副詞句が2つ挿入された形になっています。少しややこしいのでしっかり抑えておきましょう。

以上、第5パラグラフでは種の起源は一元論から帰結されるものであり、一元論と二元論の戦いの場となるだろう。→ルイスは一元論側の勝利(≒ダーウィンの考え方が正しいこと)を確信している。ということが、ルイスの個人的な意見も含めて述べられていました。

第6パラグラフ

・Darwin seems to have liked Lewes's observations on his work, for when he read this and other related pieces, he wrote to the journalist and encouraged him to publish them in a book form.
(訳)ダーウィンは自身の著作に対するルイスの意見を好んだようだ。というのも、彼(=ダーウィン)がこの作品や他の関連した作品を読んだ時、彼はその寄稿者(=ルイス)に手紙を書き、彼(=ルイス)にそれらの作品を本の形で出版するように勧めたからだ。

ダーウィンがルイスの作品を好んだ、という内容が述べられている一文です。

observationはここでは「意見」の意味です。「観察」ではありません。

forは接続詞のforです。前置詞であれば後ろには名詞表現名詞あるいは名詞句、場合によっては前置詞句もある)が続きますが、接続詞であれば原則としてはSVを含む一文が続くので後ろを見れば直ちに判断できます。京大でも接続詞forは過去に何度も出題されているので、この語で解釈ミスすることはないようにしたいです。

encourage [人] toは「人に~するように勧める」の意味です。

・Although from the point of view of today's science what he says may be dated, Lewes remains a highly interesting writer.
(訳)現代の科学の観点から見ると、彼(=ルイス)の意見は時代遅れかもしれないが、ルイスがとても興味深い作者であることに変わりはない。

前半の従属節では、ルイスがこの引用部分の文章を書いたのは1868年のことですから、科学もまだ十分には発展していない時代でした。しかし、それから科学が発展し、現代の(=この文章全体を書いた作者の時代の)科学的認識を踏まえて改めてルイスの議論を見つめ直してみると、何か上手くいかない部分があるよ、と言ってます。

第5パラグラフのin conjunction with the spread of scientific culture, hasten that triumph「科学的な文化が拡大していくのと相まってその勝利を早める」で科学的な内容とダーウィンの進化論との関係性が言及されていたので、おそらくその部分に関連してくるのではないか、と思います。

主節では、たとえそうだとしても、やはりルイスは素晴らしい作者だと言っています。思い返してみれば、第1パラグラフでも「ルイスは素晴らしい作者である」という旨が述べられている箇所がいくつかありましたよね。こうして最終パラグラフでも表現を変えつつ、内容も少し付加したうえで同じような主張を繰り返しているのです。

Althoughから従属節が始まり、may be datedまで続いています。

datedは「時代遅れの」の意味の形容詞です。(反意語としてuo to date「最新の」などがあります)

highly interesting「とても興味深い」に対応する内容として、第1パラグラフでもOne of the early significant responsesやwho writes capitally、最上級の言い換え表現などがありました。

さて、本文の精読はこれで以上となります。長い解説になってしまいましたが、お疲れ様でした。ここからは、各設問への解答予備校の解答割れ問題について解説していきたいと思います。最後までもうしばしお付き合いください。

解答を書く

1°)京大の解答用紙のサイズでは、一行あたり25~30文字書くのが目安です。(決して、全ての行を埋める必要はないです。)

2°)内容説明は、下線部自体への言及該当箇所の特定該当部分を和訳し、内容を適切な言葉を補ってつなげる、が基本的な方針です。(本質的には和訳問題と変わらないです。)

和訳問題に関しましては全文読解の際に解説していますので、ここでは各大問の要点と解答のみと簡潔にさせていただきます。

(1)文章全体から判断して, 「種の起源」が大きな影響力をもった要因としてLewesが最重要視しているものを, 第2パラグラフ(The Origin of SpciesからWhat is that quetion?まで)から選び, 日本語で書きなさい。

よく言われているように、京大の内容説明問題は、該当箇所を見つけて和訳+傍線部に対する言及の2ステップで解ける、所詮和訳問題です。「『種の起源』が大きな影響力を持った要因としてLewesが最重要視しているものを」とあるので、何か原因について比較している部分がないかな、と探していくと、less due to the fact…than to the fact…とあるので、まさにここだ!となります。

あとはこの部分を和訳していけばよいわけですが、難しい単語といえばchime「調和する / 一致する など」でしょうか。この単語は知らなくとも、clashとchimeが対比されていることから、「反発することの逆」→「調和する」と推測することができます。また、chimeは第4パラグラフの最終文にも登場しているので、そちらから推測しても良いかもしれません。

(解答)
「種の起源」がヨーロッパ人の思考を長きにわたって支配してきた、そして今なお支配している2つの大きな世界観の一方、すなわち二元論とは衝突し、もう一方、すなわち一元論とは調和する著作であるという事実。
(ポイント)
less thanの比較構文, its beingの動名詞の処理, of, thatの共通関係(修飾先), clash againseとchime withの対比

(2)下線部(a)を和訳しなさい。

下線部を読んでいくとギリシャの時代からダーウィンの進化論を示唆するような考え方があったことが読み取れますが、これは哲学者エンペドクレスが最初の提唱者みたいです。

indications ofの名詞構文の処理やtruthにかかる、ダッシュで結ばれた2つのthat節、onlyと似た意味のbut、さらにはof the truthの修飾先(←諸説あり)など解釈上また日本語表現上、非常に難しい部分が多いです。

単語レベルで難しいものはmanifestationです。(一応、鉄壁には載っている単語です。)「明白な」→「はっきりと現れてくるもの、発現するもの」くらいのイメージで捉えてあげれば上手く訳せます。

この設問では単語能力よりもむしろ、英文解釈力と堪能な日本語表現能力が問われている印象を受けました。

(解答)
ギリシャにおいて科学が誕生してからその後すべての時代を通しての思想史をたどると、私たちはある真実が明確に見えていると言うよりもむしろ、その真実を直感的に感じただけと呼べるかもしれないものを示唆するものがたくさん、絶えず繰り返し現れるのを目にするだろう。そして、その真実とは、生命が様々な形で現れたものはすべて、共通の根から育った花でしかないということ、つまりすべての生命の複雑な形態は以前から存在するより単純な生命の形態から進化してきたということである。
(ポイント)
observeの目的語の名詞構文の一連の処理, of the truthの共通関係(修飾先), 名詞構文, onlyの意味の前置詞but, 同格のthat, 同格のダッシュ

(3)下線部(b)を和訳しなさい。

文脈としては、一般大衆が専門的な知識もないのに、自然淘汰という考え方の是非をいとも簡単に判断するものだから、生物学者はブチ切れた(←ここまでは言い過ぎかもしれませんね笑)という前提です。これを前提にしておくと、下線部は理解しやすくなるかと思います。Thisが前パラグラフ最終文を受けていることも頭に入れておくと、理解がスムーズにいくと思います。

最初にotherwiseの解釈があります。今回は「その他の方法で」の意味で登場しています。

, the surprising easeの部分のコンマは同格のコンマであり、京大は同格のコンマが大好きです。英文を読んでいて直感的に「あれ、この部分文法的におかしくない?コンマの後に名詞が来てるぞ!」と思った場合、京大の場合特に同格のコンマであることが過去問を解いていて多いです。

the 名詞 with whichはよくある関係代名詞の焦点化なので、元の文章を考えて主語・動詞を含む文風に訳出しましょう。

refuteも難しい単語ですが、直前のadoptとの対比あるいは、文脈から推測することができますね。

Elementary ignorance of…の部分は無生物主語構文でここでは譲歩っぽく訳出すると良いでしょう。

with no better equipmentの部分はクジラ構文であり、省略を補って訳しましょう。

Why not?の部分に関しては以下で詳しく言及しようと思います。

(解答)
そして、このことによって他の方法では説明がつかないであろうこと、すなわち、自然選択の証明となる、あるいはそれに反する証拠を正しく理解することが完全にできない人々が驚くほど簡単に、そして驚くほど情熱的に自然選択説を受け入れてきた、あるいはそれに「反駁」してきたことが説明される。生物学を根本的に知らずとも、彼らはこの問いについてとても自信をもって意見を述べることの妨げになることはなかった。そして、生物学者は嘲笑しながら、人々は生物学を知らずにこの問いについてとても自信をもって意見を述べるのと同じくらい大した知識もないのに天文学の仮説を攻撃するだろうか、と問うてきた。どうして自身をもって意見を述べることの妨げにならなかったのだろうか?
(ポイント)
otherwiseの解釈, the 名詞 with which(関係代名詞の焦点化), 形容詞の後置修飾, refuteの意味, 無生物主語, 特に意味のないセミコロン, with no better equipmentの部分のクジラ構文と省略の復元, Why not?の省略の復元

予備校の解答速報が全滅? -Why not?の解釈-

結論から言うと、駿台・河合塾・代ゼミ・東進の3つあるいは4大予備校の解答速報がすべて、(3)のWhy not?関連の部分を誤訳していました。

簡潔に話すならば、「天文学の仮説を攻撃する」という部分は「大した専門知識もないのに一元論や二元論といった概念を持ち出して自信満々にあれやこれや言うてるけど、天文学でも同じことをできるん?」という例を提示しているに過ぎません。実際、原文ではattack on astronomical, physical, or chemical hypothesisと天文学以外にも物理学、化学の例も登場していることから、天文学が単なる例であるでしょう。

このように、生物学者が、自身から見て、明らかに専門的知識もないのに攻撃しないだろう、という学問分野を持ち出して「じゃあなんで、大した専門的知識もないのに自分ら生物学の自然選択説に関してあれやこれや言えるねん」と激怒(←誇張しすぎかも)しているのです。

そして、大した専門的知識もないのにあれやこれや言えた理由がWhy not?の次の文章から、一元論や二元論に調和するか衝突するかで自然選択説の是非を議論してきた、と展開されていくのです。

というわけで、こちらは、Why elementary ignorance of biology has not prevented them from pronouncing very confidently on this question?の省略と考えるのが妥当ではないか、と自分の中で結論に至りました。(実際、英文解体新書の著者である北村一真先生のツイートでも同じ見解が示されていました。

各予備校の解答速報を見ていくと、駿台:「なぜそのようにならなかったのだろう。河合塾:「なぜ、そうしないのか。」と内容がぼかされています。(Why not?の省略を復元しないことで減点を喰らうかどうかは分かりませんが…。)

※1「なぜ、そうしないのか。」は明らかにattackのほうを指していると判断できるので不適切でしょう。駿台のものはまだ耐えていますでしょうが。

※2自分の母校の洛北高校のお世話になった英語教員の方もこのWhy not?の部分は自分と同じ見解を示していました。また、省略を復元するか否かに関しては「省略を復元すべき」だと仰っていました。こちらの意見もご参考ください。

代ゼミ:「もちろん攻撃するだろう。」とありますが、これは直前の文のほうの主語・動詞が省略されていると読んだ解釈になります。(反語疑問のような訳出にもなっていて、一見うまい訳に見えますよね。)

しかし、直前の文章は生物学者が「お前ら一般大衆は専門的な知識もないのに自然淘汰の考え方を一元論とか二元論とかいう概念でいとも簡単に正しいか否か論じているけど、同じこと(=専門的な知識もないのに天文学の仮説の是非を論じること)を天文学でもできるん?」と考えている、という文章であり、直後の文章でも、一般大衆が自然淘汰の考え方を一元論と二元論に即していとも簡単にその是非を判断できたことが述べられているので、文脈のつながりとしても代ゼミの訳だと不自然になってしまいます。とにかく、文脈との整合性が取れるか、というところが大事です。

さて、残った東進:「知らないのにどうして自身をもって自説を述べることなどできたのだろうか?」とあり、Why not?の省略をうまく訳出できているのですが、直前のwith no better equipmentの部分の解釈が個人的には不自然だと感じました。

この部分は直前のElementary ignorance of biologyと同じくらい(専門的な)知識が欠如していることをいわゆるクジラ構文を用いて表現しており、省略を復元すると、with no better equipment than they pronounced very confidently on this question withだと考えています。それなのに、東進:「天文学者以上に知識をもたない」とあり、天文学者!?、一体どこから出てきたの!?となります。

予備校の解答割れ問題に関しては話し出すと長くなりますので、こちらの「英文解剖学」というサイトを参照してください。

内容はここで述べた以上に深くてやや難しい部分もありますが、代ゼミの解答の妥当性を吟味する部分もあったり、これでもか!と言わんばかりに詳しく、丁寧に解説されています。ここまでで余裕のある方は見ておきましょう。(考え出すと沼にハマる可能性もあるので本当に余裕のある方、あるいは興味のある方だけ見てください。)

(余談ですが、このサイトは非常にレベルが高く、英語の専門家の方くらい高度なクオリティです。とても素晴らしいサイトであると思います。)

ちなみにこのサイトでは、予備校の解答割れ問題に対して次のような意見も述べられていました。

他の教科を勉強しなければならず、試験時間やプレッシャーの大きい受験生ならともかく、あるいは一人の英語講師が時間に追われて勘違いをしてしまったというならともかく、英語講師が複数人でチェックしているはずの「京都大学」の解答速報で少なくとも2つ、あるいは3つの予備校が同じミスをしたということは大きな問題だと思います。

京大2021 大問2 下線部(b)についての所感 - 英文解剖学 (hatenablog.com)

あとがき

最後まで閲覧していただきありがとうございました。

なお、本問の解答をTwitterのDMで送信していただければ無料で添削いたします。(Twitter:@SacramyOfficial)加えて、大問1も無料添削を受け付けております。

京都大学の英文はこのように造形深いものが多く、受験生以外にとってもオススメできます。ぜひこの機会に赤本を手に取って読んでみてください!特に1990年代~2000年代の英文が最も質がよいです。

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全体的な詳しい分析はこちらの記事からご覧になることができます。まだ読んでいない方はぜひご覧ください!

大問1の解説もこちらの記事からご覧になることができます。まだ読んでいない方はぜひご覧ください!

参考文献

京都大学令和3年度入学試験問題 外国語 英語

・原文:Lewes, G. H. 1868. Mr. Darwin's hypotheses. Fortnightly Review n.s. 3 (April, June); 353-73, 611-28, 4 (July), (November): 61-80, 492-509. (darwin-online.org.uk)

筆者の紹介

櫻田 侑也(さくらだ ゆうや) 京都大学理学部2回生

英語が嫌いという理由で朝のホームルームに英会話がある西京中学ではなく、洛北高校附属中学校を目指し、洛北高校附属中学校中高一貫)に補欠合格。模試は高1から全てA判定を出し、高2では駿台全国模試の英語・数学の偏差値80越え。高3では夏の京大模試で経済学部理系で4回連続1位を取り、秋は全て理学部で冊子掲載。英語に関しては駿台で竹岡先生の高3エクストラ英語αで学び、京大模試で全国15位以内を7回取る安定した成績を収めた。
(以下、全国15位以内の模試のみ成績を添付)

京大模試

第1回京大入試プレ 117/150,11位 (74.9)
第1回京大オープン 120/150,6位 (76.5)
第1回京大実戦 113/150,13位 (77.0)
第2回京大オープン 120/150,10位 (76.2)
第2回京大入試プレ 114/150,6位 (70.8)
第4回Z会京大テストゼミ 124/150,1位 (67.5)
第3回京大本番レベル模試 136/150,1位 (70.4)

その他模試

東工大入試実戦模試 113/150,5位 (82.5)
河合塾京大本番プレテスト 121/150 など

※素点と全国順位を記載,()内は偏差値

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Yuya Sakurada

洛北(中高一貫)→京都大学理学部2回生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数物)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

-大学受験, 英語
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