
目次
まえがき
本記事では京都大学2019年度理系数学の問題を紹介し、それに対応する解答・解説を順次作成していきます。
年度別検索・分野別検索にも対応しています。みなさんの過去問学習のお役に立てれば幸いです。
大問1
・論証, 三角関数, 積分
次の各問いに答えよ。
問1\(0 < \theta < \frac{\pi}{2}\)とする。\(\cos{\theta}\)は有理数ではないが, \(\cos{2 \theta}\)と\(\cos{3 \theta}\)がともに有理数となるような\(\theta\)の値を求めよ。ただし, \(p\)が素数のとき\(\sqrt{p}\)が有理数ではないことは証明なしに用いてよい。
問2次の定積分の値を求めよ。
(1)\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{4}} \frac{x^2}{\cos^2{x}} dx\)
(2)\(\displaystyle \int_0^{\frac{\pi}{4}} \frac{1}{\cos{x}} dx\)
大問2
・整数
\(f(x)=x^3 + 2x^2 +2\)とする。\(|f(n)|\)と\(|f(n+1)|\)がともに素数となる整数\(n\)を全て求めよ。
大問3
・軌跡・領域, 座標, ベクトル, 積分
鋭角三角形\(\mathrm{ABC}\)を考え, その面積を\(S\)とする。\(0< t< 1\)を満たす実数\(t\)に対し, 線分\(\mathrm{AC}\)を\(t:1-t\)に内分する点を\(\mathrm{Q}\), 線分\(\mathrm{BQ}\)を\(t:1-t\)に内分する点を\(\mathrm{P}\)とする。実数\(t\)がこの範囲を動くときに点\(\mathrm{P}\)の描く曲線と, 線分\(\mathrm{BC}\)によって囲まれる部分の、面積を\(S\)を用いて表せ。
大問4
・場合の数・確率
1つのさいころを\(n\)回続けて投げ, 出た目を順に\(\mathrm{X_1}, \mathrm{X_2}, \cdots , \mathrm{X_n}\)とする。このとき次の条件を満たす確率を\(n\)を用いて表せ。ただし\(\mathrm{X_0}=0\)としておく。
条件:\(1 \leq k \leq n\)を満たす\(k\)のうち, \(\mathrm{X_{k-1}} \leq 4\)かつ\(\mathrm{X_k} \geq 5\)が成立するような\(k\)の値はただ1つである。
大問5
・座標, 立体図形, 微分
半径1の球面上の5点\(\mathrm{A}, \mathrm{B_1}, \mathrm{B_2}, \mathrm{B_3}, \mathrm{B_4}\)は,正方形\(\mathrm{B_1}\mathrm{B_2}\mathrm{B_3}\mathrm{B_4}\)を底面とする四角錐をなしている。この5点が球面上を動くとき, 四角錐\(\mathrm{A}\mathrm{B_1}\mathrm{B_2}\mathrm{B_3}\mathrm{B_4}\)の体積の最大値を求めよ。
大問6
・三角関数・指数対数,複素数平面
\(i\)は虚数単位とする。
\((1+i)^n + (1-i)^n > 10^{10}\)を満たす最小の整数\(n\)を求めよ。
あとがき
過去問学習をする上で役に立つ参考書を紹介しておきます。いずれも最新版のものになります。ぜひ手に取って演習を積んでください!
京大の理系数学(赤本)
過去27年間の京大入試数学(前期)の問題が分野別に掲載されており、京大受験生のみならず、"演習書"として全国の受験生にとって有益な1冊です。高校1年生から誰でも使用できます。
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大学別入試攻略問題集(京大オープン過去問)
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注意
・京都大学の入試問題の掲載にあたり、著作権法上の権利を損ねないよう、試験問題等の利用について | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)に従って記事作成後一か月以内に「京都大学入試問題等利用報告書」を提出しています。
・以上6問はすべて京都大学2020年度理系数学の問題です。