大学受験 数学過去問

【過去問解説】京都大学 2022年度 理系数学 -分析から解答の方針まで徹底解説-

目次

  1. まえがき
  2. 大問1
  3. 大問2
  4. 大問3
  5. 大問4
  6. 大問5
  7. 大問6
  8. あとがき

まえがき

本記事では京都大学2022年度理系数学の問題を紹介し、それに対応する解答・解説を順次作成していきます。

みなさん2次試験のほうお疲れ様でした。ツイートのほうでも申し上げた通り、試験本番会場で問題を解くのと、今こうしてのんびり問題の批評をしながら解くのでは体感難易度に雲泥の差があると思います。まずその点、ご了承ください。

【全体】

6問のセットで見ると、2021年度に引き続き、比較的簡単な問題のセットになっていると思います。(2010年代後半の難易度くらいに戻っていますね。)ということは合格するためには、非医学部であれば3完半~4完以上、医学部であれば4完半以上は最低限取っておかないと厳しそうです。(この部分は個人的な見解であり、開示結果を見てみないと実際分かりません。)

大問1、4は文系との共通問題になっており、大問5は誘導付きの問題になっています。数年間採用されていた1つの大問に配点が40点来る方式はどうやらやめになったようです。

また、分野別に見ると、数学Ⅲの問題が少なく、大問5の微分・積分の問題のみです。(コロナ禍の配慮でしょうか。)

全体を俯瞰して見ると、できる限り完答したい問題が多い感じです。大問3,6は実験思考が求められるいかにも京大らしい問題だと思います。また、大問1と大問5(3)はいずれも直接求めにくいものを不等式評価する、という点で共通しています。

大問1,2,4および大問5の(2)までは確実に取っておきたいところです。大問5(3)や大問6は難しい問題で、解けなくても大丈夫だと思います。合否を分けるのは大問3の整数問題になってきそうです。

【各大問】

大問1(指数対数):簡単そうに見えますが、与えられた不等式をいかに用い、その後の変形をいかに計算可能な方法で進めていくかが鍵になります。まずは底の変換公式を用いることになりますが、問題はその後です。\(\log_{10}{2022}\)がどうも処理するのが難しそうです。ここの部分をうまい感じに評価してやれば答えが出るのですが、どのようにすればよいでしょうか?\(2 \cdot 1000=2000<2022<2048=2^{11}\)ですので、このあたりの数を使うと計算が進みそうです。このように、計算不可能なものを計算可能なもので評価する、という手法はよくあります。(数学Ⅲの定積分と面積の評価なんかがまさにそれです。)

大問2(場合の数):場合の数の問題です。場合の数・確率の問題は問題を見たらまずは実際に書き出して挙動を見るのが定石です。その上で直接求めるのか、あるいは漸化式などを用いて間接的に求めるのかを判断するのです。本問では、求める場合の数を\(XYZ\)3次元空間における格子点とみなして、シグマ計算を実行すればよいでしょう。シグマ計算を実行する際には3次元→2次元→1次元と順に文字を固定して次元を落としていけばOKです。場合の数を格子点を利用して求めることはよくあります。
【参考】
京都大学2019年度理系数学大問4:【過去問】京都大学 2019年度 理系数学 | Sacramy
→同じく格子点で確率を求める問題です。本問より圧倒的に難しいです。過去問でこの問題を経験されていた方は、本問を楽々と解けたかもしれません。

大問3(整数):これもよく分からないのでとりあえず書き出してみること大切です。書き出していくと、最大公約数が\(3, 6, 1, 6, 3, 2 \cdots\)みたいな感じの繰り返しで推移していくことが分かります。これに加えて、\(n^2+2\)と\(n^4+2\)の関係式を探ることで最大公約数の候補が\(1, 2, 3, 6\)であることが示せるので、後は\(n\)を\(6\)で割った余りで場合分けすれば完了です。多くの受験生が実験をする段階には辿り着くと思いますが、それを論証するのが一苦労です。\(n^2+2\)と\(n^4+2\)あたりに何か関係性はないか?など探ることが大切です。類似問題を経験したことがあれば、この関係性を探る気持ちになりますが、そうでなければ難しいと思います。ゆえに差が付く部分だと思います。

大問4(空間図形):京大の図形問題は多くの場合、図形的センスがなくとも、座標やベクトルで解けるので助かります。空間把握能力は幼いころに一定形成されてしまうので、空間把握が苦手な受験生にとっては朗報です。さて、図形的にも勿論解けますが、内分点や重心などどう見ても「ベクトルを使ってくれ!」と言わんばかりの問題ですのでベクトルで攻めましょう。ベクトルは図形問題を解く道具の中でも、①内分点の情報 ②交点、交線の情報に強く、四面体問題でしばしば活躍します。(座標でも解けますが、時間効率的な面から論外です。)ベクトルを3本定めてやると長さが分かりますが、垂直を示そうと思うと、肝心の内積が見当たらない…。しかし、他の辺の長さが分かっているので、その長さの式を2乗してやれば内積の情報がゲットできるので解けます。(2)もベクトルの基本問題であり、最小値の議論もただの2次関数の議論なので確実に合わせたいところです。

大問5(微分積分):(1)と(2)は数学Ⅲの微分・積分の基本問題であり、何が何でも得点しておきたいです。差が付くのは(3)の部分になってくると思います。\(\alpha\)を直接求めることは不可能なので、\(\alpha\)に近い何かの値を\(f(\alpha)= \displaystyle \frac{\cos^4{\alpha}}{3 \sin{\alpha}}\)の\(\alpha\)の部分に代入して大小を調べると良さそうです。これも大問1と似ていて、計算不可能なものを計算可能なもので評価する、というスタンスが重要です。類題として、京都大学1997年度理系数学大問5があります。

大問6(数列):これもよく分からないのでとりあえず書き出してみること大切です。\(n=7\)前後まで書き出してみると、三角関数の項の部分が3周期で\(2, 2, -1\)で変動することが分かるので、\(n\)を\(3\)で割ったあまりで場合分けすると筋が良さそうです。そうすると、{\(x_n\)}の一般項がシグマ計算から求まり、最後に{\(y_n\)}との差分を取れば答えが求まります。今回の6問のセットの中では一番難しいですが、実験による規則の発見→帰納法で論証して計算実行という王道パターンで処理できてしまいます。本問だと最初の規則の発見が難しいポイントになると思います。にしてもこの数列何なんでしょうね。論文を漁ってみると何かと関係がありそうです。

年度別検索分野別検索にも対応しています。みなさんの過去問学習のお役に立てれば幸いです。
※京都大学2021年度以前の問題はこちらから→数学過去問 | Sacramy

大問1

【三角関数・指数対数】
\(5.4 <\log_4{2022}< 5.5\)であることを示せ。ただし, \(0.301 < \log_{10}{2} < 0.3011\)であることは用いてよい。

解答・解説はこちらから→【入試数学演習No.21】京都大学理系数学2022 大問1 解答・解説 | Sacramy

大問2

【場合の数・確率】
箱の中に\(1\)から\(n\)までの番号がついた\(n\)枚の札がある。ただし\(n \geq 5\)とし, 同じ番号の札はないとする。この箱から\(3\)枚の札を同時に取り出し, 札の番号を小さい順に\(X, Y, Z\)とする。このとき, \(Y-X \geq 2\)かつ\(Z-Y \geq 2\)となる確率を求めよ。

解答・解説はこちらから→【入試数学演習No.22】京都大学理系数学2022 大問2 解答・解説 | Sacramy

大問3

【整数】
\(n\)を自然数とする。\(3\)つの整数\(n^2+2, n^4+2, n^6+2\)の最大公約数\(A_n\)を求めよ。

解答・解説はこちらから→【入試数学演習No.23】京都大学理系数学2022 大問3 解答・解説 | Sacramy

大問4

【立体図形, 空間ベクトル】
四面体\(\mathrm{OABC}\)が
\(\mathrm{OA}=4,\)
\(\mathrm{OB}=\mathrm{AB}=\mathrm{BC}=3,\)
\(\mathrm{OC}=\mathrm{AC}=2 \sqrt{3},\)
を満たしているとする。\(\mathrm{P}\)を辺\(\mathrm{BC}\)上の点とし, △\(\mathrm{OAP}\)の重心を\(\mathrm{G}\)とする。このとき, 次の各問に答えよ。
(1)\(\overrightarrow{\mathrm{PG}} \perp \overrightarrow{\mathrm{OA}}\)を示せ。
(2)\(\mathrm{P}\)が辺\(\mathrm{BC}\)上を動くとき, \(\mathrm{PG}\)の最小値を求めよ。

解答・解説はこちらから→【入試数学演習No.24】京都大学理系数学2022 大問4 解答・解説 | Sacramy

大問5

【微分・積分】
曲線\(C\):\(y=\cos^3{x}\)\((0 \leq x \leq \displaystyle \frac{\pi}{2}),\) \(x\)軸および\(y\)軸で囲まれる図形の面積を\(S\)とする。\(0 < t< \displaystyle \frac{\pi}{2}\)とし、\(C\)上の点\(\mathrm{Q}(t, \cos^3{t})\)と原点\(\mathrm{O},\)および\(\mathrm{P}(t, 0),\)\(\mathrm{R}(0, \cos^3{t})\)を頂点にもつ長方形\(\mathrm{OPQR}\)の面積を\(f(t)\)とする。このとき, 次の各問に答えよ。
(1)\(S\)を求めよ。
(2)\(f(t)\)は最大値をただ1つの\(t\)で取ることを示せ。そのときの\(t\)を\(\alpha\)とすると, \(f(\alpha)= \displaystyle \frac{\cos^4{\alpha}}{3 \sin{\alpha}}\)であることを示せ。
(3)\(\displaystyle \frac{f(\alpha)}{S} < \frac{9}{16}\)を示せ。

解答・解説はこちらから→※準備中

大問6

【数列】
数列{\(x_n\)}, {\(y_n\)}を次の式
\(x_1=0, x_{n+1}=x_{n}+n+2 \cos{(\displaystyle \frac{2 \pi x_{n}}{3})}\)\((n=1, 2, 3, \cdots)\)
\(y_{3m+1}=3m, y_{3m+2}=3m+2, y_{3m+3}=3m+4\)\((m=0, 1, 2, \cdots)\)
により定める。このとき, 数列{\(x_{n}- y_{n}\)}の一般項を求めよ。

解答・解説はこちらから→※準備中

あとがき

過去問学習をする上で役に立つ参考書を紹介しておきます。いずれも最新版のものになります。ぜひ手に取って演習を積んでください!

京大の理系数学(赤本)

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注意

・京都大学の入試問題の掲載にあたり、著作権法上の権利を損ねないよう、試験問題等の利用について | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)に従って記事作成後一か月以内に「京都大学入試問題等利用報告書」を提出しています。

・以上6問はすべて京都大学2022年度理系数学の問題です。

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Yuya Sakurada

洛北(中高一貫)→京都大学理学部2回生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

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