入試数学演習 大学受験 数学

【入試数学演習No.23】京都大学理系数学2022 大問3 解答・解説

目次

  1. 問題
  2. 方針
  3. 解答
  4. あとがき

問題

【整数】
\(n\)を自然数とする。\(3\)つの整数\(n^2+2, n^4+2, n^6+2\)の最大公約数\(A_n\)を求めよ。

全問題はこちらから→【過去問解説】京都大学 2022年度 理系数学 -分析から解答の方針まで徹底解説- | Sacramy

方針

まずは整数問題の基本方針についておさらいしておきましょう。

整数問題の基本方針3つ

1. 約数倍数に注目する(因数分解を伴うことが多い)
式\(1\)つが式\(2\)つになるというとても強力な手段です。整数問題では文字変数に対して式の数が不足している場合がありますが、その不定性の解決策の1つがこの因数分解になるわけです。整数問題ではまず因数分解可能性を考慮してみるとよいでしょう。
特に、素数が登場する場合で因数分解できるのであれば(積の形)=(素数の累乗)と変形することが多いです。
因数分解をするために以下の②③を用いることもあれば、逆に①を用いて式を増やした後に②③を利用することもありますので、そこは臨機応変にいきましょう。

2. あまりに注目する\(\mathrm{mod}2,3,4,5,7,8\)あたりを考えたり、素数が絡んだりすることが多い)
→特に、実験をすることが多いです。(近年の京都大学の入試問題を見てみましょう。)
「素数であることを示せ」「素数になる条件を求めよ」の類はたいてい、(ⅰ)実験により規則を発見して有名な\(\mathrm{mod}\)での論証 (ⅱ)背理法 (ⅲ)ユークリッドの互除法のいずれかで解決します。

3. とりうる範囲に注目する分数型の不定方程式や関数の発散スピード
分母のほうの次数が高いとき、整数になる場合が限られることや、多項式関数指数関数では代入する値が大きくなると関数の増加スピードが圧倒的に違うことを利用することが多いです。

特に京都大学の整数問題ではとにかく実験してみることが大切で、2010年代後半にその傾向が顕著に見られました。

→本問では

まずは実験してとりあえず書き出してみること大切です。各\(n\)に対して\((n^2+2, n^4+2, n^6+2)\)の値を考えると、

\(n=1\)のとき:\((3, 3, 3)\)
\(n=2\)のとき:\((6, 18, 66)\)
\(n=3\)のとき:\((11, 83, 731)\)
\(n=4\)のとき:\((18, 258, 4098)\)
\(n=5\)のとき:\((27, 627, 15627)\)
\(n=6\)のとき:\((38, 1298, 46658)\)
\(n=7\)のとき:\((51, 2403, 17651)\)
\(\cdots\)

書き出していくと、最大公約数が\(3,6,1,6,3,2 \cdots\)みたいな感じの繰り返しで推移していくことが分かります。ただ、これだけでは\(1, 2, 3, 6\)以外の最大公約数が存在する可能性も排除できていませんし、最大公約数が周期性をもつことも論証できていません。後者に関しては\(\mathrm{mod}6\)を考えることで証明できるだろうと、ある程度の検討がつきますが、問題は前者です。

ここで少し視点を変えてみると、\(n^2+2, n^4+2, n^6+2\)の最大公約数は(n^2+2, n^4+2\)でもあります。ゆえに、自然数\(p\)と自然数\(A, B\)を用いて、

\(n^2+2=pA, n^4+2=pB\)

と書けます。整数問題では条件の緩い文字を消去する、というのが鉄則であり、ここでは\(n\)を消去してやるとよいでしょう。つまり、前者の式を2乗するとよくて、

\(n^4+2n-2+4=p^2A^2\)

となりますから、\(n^2, n^4\)を消去することで、

\(pB-2+4pA-8+4=p^2A^2\)

つまり、

\(pB+4pA-6=p^2A^2\)

となります。ここで両辺の\(\mathrm{mod}p\)を考えると、\(6\)が\(p\)の倍数であることが分かり、\(p=1, 2, 3, 6\)であることが言えました。ゆえに、元の3数の最大公約数の候補は\(1, 2, 3, 6\)であることが分かります。(ここでは2数の最大公約数を議論しているので必要条件でしかないことに注意。)

このことから議論が完成しそうです。実は幸か不幸か全く同じような問題が過去の京大実戦で出題されているので、ここで類題として見ておきましょう。

※勿論、\(n^2+2=pA\)の式の両辺を3乗して\(n^6+2=pC\)として考えてもよいですが、実際やってみるとここから議論を進めても何も進みませんでした。

(類題)整数 -実験により最大公約数を絞る-
\(n\)は自然数である。\(n^2+1\)と\((n+1)^2+1\)の最大公約数を求めよ。
(2012 11月 京都大学実戦模試理系 大問6)

(方針)
\(n\)を消去して考えてみると、最大公約数の候補が\(1,5\)の2択であることが分かりますので、後は実験から\(n\)を\(5\)で割った余りで場合分けすれば議論が終了します。本問と全く同じ議論の進め方で解けてしまいます。奇遇ですね。

(解答)
順次掲載します。

では解答のほうに入っていきましょう!

解答

\(n^2+2, n^4+2, n^6+2\)の最大公約数は(n^2+2, n^4+2\)でもある。ゆえに、自然数\(p\)と自然数\(A, B\)を用いて、

\(n^2+2=pA, n^4+2=pB\)

と書ける。す前者の式を2乗すると、

\(n^4+2n-2+4=p^2A^2\)

となるから、\(n^2, n^4\)を消去することで、

\(pB-2+4pA-8+4=p^2A^2\)

つまり、

\(pB+4pA-6=p^2A^2\)

とる。ここで両辺の\(\mathrm{mod}p\)を考えると、\(6\)が\(p\)の倍数であることが分かり、\(p=1, 2, 3, 6\)である。ゆえに、元の3数の最大公約数の候補は\(1, 2, 3, 6\)である。

さて、以下\(\mathrm{mod}6\)で考える。

\(n, n^2, n^4, n^6\)を\(\mathrm{mod}6\)で考えると、以下の6パターンになる:

\((1, 1, 1, 1), (2, -2, -2, -2), (3, 3, 3, 3), (-2, -2, -2, -2), (-1, 1, 1, 1), (0, 0, 0, 0)\)

ゆえに、\(n, n^2+2, n^4+2, n^6+2\)を\(\mathrm{mod}6\)で考えると、以下の6パターンになる:

\((1, 3, 3, 3), (2, 0, 0, 0), (3, -1, -1, -1), (-2, 0, 0, 0), (-1, 3, 3, 3), (0, 2, 2, 2)\)

よって\(\mathrm{mod}6\)で考えると\(3, 0, -1, 0, 3, 2\)を繰り返す。求める最大公約数はこれらを\(6\)で割ったあまりと一致する。ゆえに、求める最大公約数は、

\( A_{n} = \begin{cases}
2 (n \equiv 0 (\mathrm{mod}6))\\
3 (n \equiv 1, 5 (\mathrm{mod}6))\\
6 (n \equiv 2, 4 (\mathrm{mod}6))\\
1 (n \equiv 1 (\mathrm{mod}6))\\
\end{cases} (答え)\)

あとがき

過去問学習をする上で役に立つ参考書を紹介しておきます。いずれも最新版のものになります。ぜひ手に取って演習を積んでください!

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2022年度理系数学の問題一覧はこちらから見ることができます。

注意

・京都大学の入試問題の掲載にあたり、著作権法上の権利を損ねないよう、試験問題等の利用について | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)に従って記事作成後一か月以内に「京都大学入試問題等利用報告書」を提出しています。

・以上6問はすべて京都大学2022年度理系数学の問題です。

  • この記事を書いた人
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Yuya Sakurada

洛北(中高一貫)→京都大学理学部2回生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

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