入試数学演習 大学受験 数学

【入試数学演習No.7】京都大学理系数学2021 大問2 解答・解説

目次

  1. 問題
  2. 方針
  3. 解答
  4. あとがき

問題

曲線\(y= \frac{1}{2}(x^2+1)\)上の点\(\mathrm{P}\)における接線は\(x\)軸に交わるとし,その交点を\(\mathrm{Q}\)とおく。線分\(\mathrm{PQ}\)の長さを\(\mathrm{L}\)とするとき, \(\mathrm{L}\)が取りうる値の最小値を求めよ。

方針

接線の絡みの問題はまずは接点に注目して、接線の方程式を考えるところからはじめると上手くいくことが多いです。

本問では接線の方程式を立てるその方程式に\(y=0\)を代入してそのときの\(x\)座標を求める\(\mathrm{L}\)を何らかの変数で記述し、その増減を調べる

という感じで解けます。また、計算ミスを防ぐために一度、\(\mathrm{L}\)が一体どのように変化するのか頭の中でシミュレーションするとよいでしょう。(最大・最小問題では、直接解答には現れて来ませんが、シミュレーションは大事です。)

接点の\(x\)座標が\(0\)に(右側からでも左側からでも)限りなく近づくと接線の傾きも限りなく\(0\)に近づき、点\(\mathrm{Q}\)は無限遠方に向かい、\(\mathrm{L}\)は限りなく大きくなりそうです。

逆に、接点の\(x\)座標の絶対値が\(\infty\)に近づく時も\(\mathrm{L}\)は限りなく大きくなりそうです。

\(\mathrm{L}\)は連続的に変化するので、その間のどこかで最小値を取りそうだな、という予想が付くと思います。さらに、接点の\(x\)座標が\(t\)(\(t > 0\))のときと、\(-t\)のときは状況は本質的には同じです。(∵\(y=\frac{1}{2}(x^2+1)は偶関数\))

ですので、以上の感覚から、①\(\mathrm{L}\)は偶関数であり ②\(\mathrm{L}\)は接点の\(x\)座標\(t\)が\(0, \infty\)それぞれに限りなく近づく時、限りなく大きくなるということが分かります。

このような思考回路を計算過程の見直しに取り入れられるとなおよいでしょう!

解答

\(f(x)=\frac{1}{2}(x^2+1)\)とすると、\(f(-x)=f(x)\)より\(y=f(x)\)のグラフは\(x=0\)に関して対称である。ゆえに接点の\(x\)座標を\(t\)としたときに考えるべき範囲は\(t \geq 0\)のみでよい。

また、\(t=0\)のときを考えると、\(y=f(x)\)の接線は\(y=\frac{1}{2}\)となり\(x\)軸と平行になってしまうから、\(x\)軸と交点をもたないので最小値を考える際には除外しておいても問題はない。(\(t \to 0 \)で\(\mathrm{L} \to \infty\)とも解釈できる。)

\(f'(x)=x\)より\(y=f(x)\)の\(x=t\)における接線の方程式は、

\(y-\frac{1}{2}(t^2+1)=t(x-t)\)

となる。この式で\(y=0\)とすることで、

\(t(x-t)=- \frac{1}{2}(t^2+1)\)

となるが、いま\(t \neq 0\)より両辺を\(t\)で割ることができて、

\(x=\frac{1}{2}(t- \frac{1}{t})\)

となる。

\(\mathrm{L} > 0\)より線分\(\mathrm{PQ}\)の長さ\(\mathrm{L}\)の2乗を考えると、2乗の増減はもとの増減に一致し、

\begin{align}
\mathrm{L}^2 &= (\frac{1}{2}(t+ \frac{1}{t}))^2 + (\frac{1}{2}(t^2+1))^2 \\
&= \frac{1}{4}(t^2+\frac{1}{t^2}+2+t^4+2t^2+1) \\
&= \frac{1}{4}(t^4+3t^2+\frac{1}{t^2}+3)
\end{align}

となる。ここで、

\(g(t)=t^4+3t^2+\frac{1}{t^2}+3\)

とおくと、

\begin{align}
g'(t) &= 4t^3+6t- \frac{2}{t^3} \\
&= 2 \frac{2t^6+3t^4-1}{t^3} \\
&= 2 \frac{(2t^2-1)(t^2+1)^2}{t^3}
\end{align}

\(t>0\)より\(t^2+1>0\)及び\(t^3>0\)であり、\(g'(t)=0\)を解くと、\(t= \frac{1}{\sqrt{2}}\)となるから、\(g'(t)\)の符号変化と\(g(t)\)の増減は以下のようになる。

よって、\(g(t)\)は\(t=\frac{1}{\sqrt{2}}\)で最小値を取り、\(\mathrm{L}^2\)も最小値を取り、\(\mathrm{L}\)も最小値を取る。

このとき、\(\mathrm{L}^2=\frac{1}{4}(\frac{1}{4}+ \frac{3}{2} +2+3) =\frac{27}{16}\)となり、\(\mathrm{L}>0\)だから\(\mathrm{L}=\frac{3 \sqrt{3}}{4}\)となる。

ゆえに、求める最小値は\(\frac{3 \sqrt{3}}{4}\)となる。(答え)

あとがき

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2021年度理系数学の問題一覧はこちらから見ることができます。

注意

・京都大学の入試問題の掲載にあたり、著作権法上の権利を損ねないよう、試験問題等の利用について | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)に従って記事作成後一か月以内に「京都大学入試問題等利用報告書」を提出しています。

・以上6問はすべて京都大学2021年度理系数学の問題です。

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Yuya Sakurada

洛北(中高一貫)→京都大学理学部2回生|元駿台特待, EX生|予備校勤務 |個別指導講師(英数物)|高3時, 京大模試英語で全国15位以内を1年間で7回達成|ポケモン全国3位(2013), 全国Top8(2017), 全国Top4(2018)|大学受験英語・数学や大学の学問紹介の記事を中心に書いています。

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