
目次
まえがき
こんにちは。本記事では駿台の高3エクストラ数学αという講座について、実際の受講生の立場から説明していきたいと思います。ブラウザ上で「駿台 エクストラ数学」と検索しても中々出て来ませんので、かなりレアな記事になるかもしれません。(笑)
自分は高2・高3と駿台のエクストラ数学αに通い、その結果、特色入試は不合格だったものの、最終的には一般入試のほうで京都大学理学部に合格することができました。
この講座を担当されている駿台数学科の三森司先生はベテランの先生であり、普段は現役生の指導をすることはあまりありませんが、浪人生クラスを多く担当されており、評判もかなり高いです。
・京都大学・東京大学を始めとする難関国公立大学および国公立大学医学部の受験生
・予備校での数学の授業の実態を知りたい方
にお勧めの記事となっています。
では以下で説明をしていきます。どうぞ最後までご覧になってください!
講座の概要
認定基準
駿台の高3エクストラ数学αは非常に受講生のレベルが高い講座であり、受講するには(諸説ありますが)以下の資格が必要であると言われています:
1年間に3回開催される高2駿台全国模試において、「東京大学理科Ⅰ類または京都大学理学部A判定相当の成績」または「数学単体の偏差値が70を超える」のいずれかの条件を少なくとも一回満たすことで受講が可能になるそうです。
また、(真相は分かりませんが)駿台校内で開催される「エクストラ数学α認定テスト」なるものが存在するらしく、そのテストで十分な成績を取ることでも受講が可能になるそうです。
以上からも分かるように受講生のレベルは確かに極めて高いです。
設置校舎
京都南校、上本町校、西宮北口校、豊中校、丸の内校、広島校、福岡校に設置されています。
参考:高3エクストラ数学α - 駿台大阪校wiki (wicurio.com)
その中でも京都南校、上本町校、西宮北口校に関しては特に実績も安定しています。(昨年度はここ10年の中で最もエクストラ数学αにおける合格者が多い年でもあったそうです。)
自分が所属していた京都南校では洛星、洛南、堀川、西京、膳所、洛北、東大寺などの超トップの進学校の生徒が中心に集結していました。受講人数は40~50人くらいいた印象で、生徒の志望校もほぼ全員が東大・京大あるいは国公立大学医学部でした。しかも自分の年度はこの人数の中から京都大学理学部合格者を約10人排出したそうです。
今考えると恐ろしい光景ですね…。(笑)
授業内容
次に京都南校の2019年度の授業内容を例として紹介していきます。(※時間帯が変更されている場合がありますが、授業形式が大きく変わることはありません。)
1限目-テスト演習-(18:00-19:30)90分
最初の90分間はテスト演習の時間です。以下の画像の解答用紙が3枚配布され、(後で添付します)数学の問題を3問、時間制限内に解きます。
テスト中は前に試監督の方もいませんでしたので、自分は左手でパンを頬張り、近くのイオンモール京都で買ったジュース専門店のジュースを飲みながら右手で問題を解いて呑気に受けていました。
テスト演習に関して詳しいことは以下のパラグラフで説明します。
休憩(19:30-19:40)10分
テスト演習が終わると、3枚の答案が回収され、解答・解説および以下で説明する三森先生オリジナルのプリントである研究問題が配布されます。休憩中はクラスリーダーの方が前で業務連絡をしたり大学のことを話してくださったりします。そんなことを片耳に聞きながら、友達とテストの解答・解説を見ながら問題の出来や解法などについて話し合います。
違う学校の人にも積極的に絡みにいくといいと思います。自分もエクストラ数学αを通して洛星、東大寺、膳所などの進学校の人と繋がることができました。一緒に数学について話し合えたり、帰り道に話し合いながら帰れたりするような友達を持つことは本当に大事だと思います。
チャイムが鳴るとすぐに三森先生によるテストの解説授業が始まります。
2限目-解説授業-(19:40-21:10)90分
解説プリントは手元に既に配られていますが、黒板のほうに集中してノートを取りましょう。三森先生は板書するスピードがとても速いのでそんなことをしている暇もありません。実際先生本人が「文字を素早くことは大切だよ」と仰っているくらいです。
テスト解説の特徴としては、いきなり解答を書き始めるのではなく、まずは問題の解法や背景知識の解説が語られます。その場で解いた問題のみならず、今後他の入試問題を解く際にも通用するような一般的でかつ学校では教えてくれないようなテクニックを教えてくれます。具体的には、このサイトでも扱っているような「実数係数の3次方程式の解法」や「全称命題の扱い方」、ほかに「図形問題のアプローチ」など沢山あります。その一問にとどまらず、様々な問題への応用が利く素晴らしい解説です。
また、時々、その場で類題が紹介され、三森先生がその場で解き始めることもあります。これらは先ほど述べた解法を具現化するためのものです。さらっとしか解説されないので、こちらの方は家で必ず復習するようにしましょう。
以上のように、1問に対してたくさんの奥深いことが語られた後、実際の解答を書き始めます。解答自体は、手元のプリントに似たものがあるのですが、三森先生が仰っている「数学の解答は手を動かすことで自然に身につくんだよ」という教えに従って板書はしっかりとノートに書きましょう。
以上、盛りだくさんの内容ですので、1回の解説で終わり切らずに、次回の授業に解説が回されることがしばしばありますので、事前に留意しておくとよいでしょう。
駿台英語科の竹岡先生や駿台化学科の山下先生とは違って、授業が延長されることは滅多にありません。(あってもせいぜい5~10分です。)良心的ですね。三森先生の温厚な性格が現れている気がします。
週1回のテスト演習
どのような問題が出題されるのか?
先程も述べたように90分で3問を解きます。京都大学理系数学だと150分で6問であり、1問あたり25分なので時間的に見れば少し余裕があります。問題については以下のような問題が出題されます:
・難関大学の入試問題
・三森先生オリジナルの問題
・京大/東大入試実戦模試のような模試の過去問
・IMO(数学オリンピック)の問題(入試問題に近いレベルの問題のみ)
見て分かるようにとても難しそうですが、入試問題でいういわゆる「捨て問」とはまた異なり、標準的な問題よりは明らかに難しいけれども、入試の合否を分けるような難しい問題が多い印象を受けました。実際、自分も2020年度の京都大学理系数学大問1では三森先生に教わった「実数係数の3次方程式の解法」のおかげで解くことができ、この問題が合格を決める一手だったと思います。
テストの採点
なんとこの講座では、数学専攻の大学院生の方に採点を依頼しており、3問100点満点で採点されて返却されます。しかも、部分点の付け方がとても丁寧であり、1点単位で細かくつけてくれます。さらに間違っている場合には、どこで間違っているかを指摘してくれ、その後の方針まで丁寧に書いてくれますし、全く解けていない場合でも解き方について赤ペンで書かれていたりします。1つだけ言えることはこれです:
高3エクストラ数学αの採点は他のどの予備校よりも丁寧です。
順位表について
採点されたテストには順位表までついてきます。返却後教室横の廊下の掲示板に1週間の間、掲示されます。その表には以下の情報が記載されています:
・得点分布と何点の人がどの順位であるか
・平均点、標準偏差、偏差値
・大問ごとの平均点得点分布
ここまで丁寧な情報を教えてくれる講座は駿台でもこの講座のみです。まるで模試を受けさせてもらえるような気分になります。
同じ講座に友達がいると、得点や順位を競いあえるのでとても楽しいですよ!(中の人のテストの出来については、次回の記事「駿台 高3エクストラ数学α ②体験談」で語ります。お楽しみに(?))
研究問題
解答・解説と同時に配布されるのが研究問題です。研究問題とは何かと説明しますと、三森先生オリジナルのプリントであり、テスト問題それぞれに対して2~5問ついてくる類題のことです。こちらは授業中では解説されませんが、家で授業中に学んだ解法の復習問題として解くとよいでしょう。解説も参考書以上に丁寧であり、オークションサイトでも高値で販売されています。ちなみに、三森先生自身もこの事実は認識しているそうで、「ぼくのプリントを売ってくれても構わないけど、入試が終わってからにしてくれよな」と仰っていました。面白い先生です。
あとがき
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事が受験生や教育関係者の参考になれば幸いです。次回の記事「駿台 高3エクストラ数学α ②体験談」のほうでは自分の経験ベースで講座の感想などを語ります。以下から見ることができます!
合わせてこちらの記事でも高3エクストラ数学αについて言及しながら自分の京都大学理学部特色入試不合格体験を書きましたので、ぜひご覧になってください!それでは!
最終更新:2021 2/2(Tue.)